ボンドアルベドと幾何アルベド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 01:33 UTC 版)
「アルベド」の記事における「ボンドアルベドと幾何アルベド」の解説
主な定義にボンドアルベドと幾何アルベドとがある。ボンドアルベドは定義は簡潔だが実際の算出は難しく、天文学で通常使われるのは幾何アルベドである。 ボンドアルベド 入射光の総量に対する反射光の総量の割合である。入射角や反射角を問わない。 通常は電磁波の波長も問わず、全帯域についてスペクトル密度を積分する。そのため、入射エネルギーに対する反射エネルギーの割合とも言える。 ボンドアルベドは必ず1以下であり、鏡面反射でも乱反射でも、入射光を全て反射すれば1である。 算出するには、天体の大きさだけでなく、天体表面の光学的性質について知る(あるいは仮定する)必要がある。反射光のうちどれだけの割合が観測者に向かったかがわからないからである。 「ボンド」とは、提唱した天文学者ジョージ・フィリップス・ボンドのことであり、「結合アルベド」は誤訳である。 幾何アルベド(ジオメトリックアルベド) 位相角0°(入射光の方向へ反射する)への反射光の強さを、天体表面が完全ランバート面だと仮定した場合と比較する。ランバート面はその性質上、光源に垂直でも斜めでも、平面でも曲面でも、反射光の強さは同じである。そのため、より一般化し「同じ断面積の完全ランバート面と比較」と表現されることもある。 位相角0°への反射光のみを問題にしているため、衝に観測すれば、天体の大きさ(より厳密には、視線方向への断面積)のみを仮定すれば算出できる。 鏡面反射が強ければ幾何アルベドはボンドアルベドより高くなり、1を超えることもある。現実の天体では1を大きく超えることはないが、理論上の上限はなく、仮に完全な鏡面反射なら∞となる。
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