ホモ芳香族性の基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/19 14:45 UTC 版)
芳香族性(英語版)の基準は、これらの有機分子の際立った安定性への理解についての新たな発展と知見が進むにつれて拡張されてきた。このため、これらの分子に要求される特性は議論の的になり続けてきた。古典的には、芳香族化合物は環状に非局在化した (4n+2) 個のπ電子を持ちヒュッケル則を満たす平面分子であると定義されてきた。最も重要なのは、これらの環状共役系が、局在化した共鳴構造に基いた予測に比べて、飛び抜けた熱化学的安定性(英語版)を示すということである。簡潔には、次の3つの重要な特徴が芳香族化合物を特色づけている。 分子構造(つまり、共平面性: 全ての寄与原子が同一平面にあること) 熱的性質(つまり、熱化学的安定性の増加) 分光および磁気的特性(つまり、磁場誘起環電流) しかし、慣用的な規則には数々の例外が存在する。メビウス 4n π電子種やペリ環状遷移状態、(π結合ではなく)σ結合を通した非局在化電子の循環、多遷移金属サンドイッチ分子などなどの多くの分子が、芳香族性の慣用的パラメータからはいくらか外れるにもかかわらず芳香族とみなされてきた。 結果として、ホモ芳香族的非局在化の基準も同様に曖昧さを残しており、議論も続いている。ホモトロピリウムカチオン (C8H+9) は、最初に見付かったホモ芳香族化合物ではないが、ホモ芳香族に分類されている中でも最もよく研究されているため、ホモ芳香族の古典的例と考えられることが多い。1980年代中盤までに、40以上のホモトロピリウムカチオン置換誘導体が見付かっており、このことはホモ芳香族化合物の理解に向けて、このイオンが重要であることを示している。
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