ペットの地震対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/18 19:37 UTC 版)
「日本における地震対策と体制」の記事における「ペットの地震対策」の解説
犬や猫といったペットは多くの家庭で家族の一員となっており、大地震の際もペットを同行して避難することを希望する事例も少なくない。東日本大震災をきっかけに、地方自治体が防災計画の中にペットの同行避難に関する定めを追加する事例が増えてきた。2015年6月には環境省が「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(リンク)を作成している。しかし避難所でペットの受け入れができない場合、飼い主もペットと共に車中泊をして体調を崩すことがある。2016年4月の熊本地震では、ペットが避難所に入れなかったため車中泊を続けたところ、ペットが熱中症になった事例もあった。避難時にやむを得ずペットと離れた飼い主が精神的に苦しむこともある。 避難所では多数の人々と一緒に暮らすことになるため、ペットの飼い主には発災に備えての準備や対策が求められている。たとえば、ペットに無駄吠えをしない、トイレを決められた場所でする、ケージに入る、といった基本的なしつけをしておく。予防注射や不妊手術を行う。迷子になる場合に備えて迷子札やマイクロチップを着ける。避難時にすぐ持ち出せるようにキャリーバッグや餌(5日分)や食器、予防接種日や健康状態などの情報をまとめたものなどを準備しておく、といった対策が勧められている。熊本地震では、熊本市の避難所運営マニュアルに「避難所側がペット同行者に配慮」とあるものの、市民への周知が不十分だったこともありペットが入れなかった事例があった。しかし、避難所には動物を嫌う人や、ペットに不用意に触れてくる子供もいるため、飼い主側には普段以上の配慮が求められる。平時から近隣の住民との良好な関係を保ち、災害時の対応について話し合っておくことも必要であろう。ペットとしてはあまり一般的でない動物の場合は、避難所への同行が困難な可能性があるため、発災時の預け先を事前に確保しておく。
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