ヘアリーセル白血病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
詳細は「有毛細胞白血病」を参照 ヘアリーセル白血病 (HCL) は分化の進んだBリンパ球性の白血病/リンパ増殖疾患で、その細胞は毛を生やしたような細い突起が多数あるきわめて特徴的な外観をしている。欧米では全白血病の2-3%を占め、それほど珍しい白血病ではないが、アジアやアフリカでは極めて稀な病型である。男性に多く、患者の平均年齢は50-55歳で中年以降に多い。脾腫と汎血球減少が多く見られ、血球が減るだけでなく免疫を司る細胞に異常が多く、通常の感染症だけでなく非定型抗酸菌やカリニ肺炎、真菌症等の免疫不全による日和見感染が多く、感染症が死亡原因で目立つ疾患であるが、悪性度は低く進行がゆっくりで経過観察で良い症例も多い。HCL は位相差顕微鏡で見ると白血病細胞が特異な形態を取るので診断はしやすい。治療はインターフェロンやプリンアナログが著効する。日本ではヘアリーセル白血病は極めて少ないが、日本のヘアリーセル白血病には日本型 (Japanese variant) というローカルな亜型が存在し、日本のヘアリーセル白血病患者のなかでは日本型が大半を占める。ヘアリーセル白血病日本型は患者の平均年齢が64.9歳と高く、普通の HCL が男性に圧倒的に多いのに比べ、日本型は女性にやや多く、白血球は増加していることが多い。日本型はインターフェロンの効き目も良くない。
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