プログラムとプログラムマネジメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 02:23 UTC 版)
「P2M」の記事における「プログラムとプログラムマネジメント」の解説
「プログラム」とは、広義には「一組または一連の計画」または「(それらの)計画の一覧表」を意味するが、プログラムマネジメントに関する場合、プログラムとは「(大きな目的達成のために)複数のプロジェクトを有機的に組み合わせた統合的活動」の意味で、その統合的活動にはプロジェクトだけではなく、しばしば定常業務(オペレーション)が含まれる。プログラムマネジメントとは、企業価値など組織全体の視点での価値向上のための戦略的な仕組み作りであり、「環境変化を意識して、複雑な使命に問題解決の道を開き、事業価値を向上する発想」である。その仕組み作りには、企画(スキーム)、システム構築、利用(サービス)の3種類のプロジェクトを効果的に組み合わせたプログラムの形態が必要とされる。通常のプロジェクトマネジメントでは、当初に設定した目標(システム要求、納期、コストなど)の効率的実現を目的とするが、現代の市場や競争など著しく変化する外部環境の複雑性・不確実性により、単に個別プロジェクトの目標を達成しても期待した事業価値が確実に実現できるわけではない。1990年代は「日本産業の失われた10年」と言われたが、それはそれ以前と同様に様々な企業内プロジェクトが計画され実行されたが、グローバルな環境変化のため、それらを事業成果とは結びつけられなかったためである。プロジェクトマネジメントが「○○の開発」などのように具体的に目に見える成果を目標とするのに対し、プログラムマネジメントは「事業価値」という一段上位で抽象的な価値の創造・拡大を目的とするもので、より上位の企業や事業目的から発する長期的で戦略的な活動である。それゆえ、一般にプロジェクトより複雑性と不確実性が高い。プログラムマネジメントでは、市場など外部環境の変化にも柔軟に対処するより広い視野と戦略的な知識やマネジメント能力が要求される。
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