プレミアム軽油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 20:07 UTC 版)
SUVなどのRVブームが続いていた1990年代、合併して日石三菱となる前の日本石油と三菱石油、コスモ石油、三井石油が「プレミアムガソリン」に対抗して、一般的な軽油(ノーマル軽油)より付加価値の高い軽油としてプレミアム軽油を発売した。このプレミアム軽油は一般的な軽油(ノーマル軽油)に対し、燃料噴射系の汚れを落とす「清浄剤」、自己着火(発火)性を向上し、低温始動時の白煙や高負荷時の黒煙を減少させるセタン価向上剤(セタン価+3程度)、防錆剤が添加されている。ただし、バスなどの中・大型自動車については、これらに対応できるガソリンスタンドで販売できるところが存在しないか、もしくは少なかったことや、コスト上の問題で全てのディーゼル車への普及には至らなかったが、黒煙を多少なりとも減らすことにとっては役立つものであった。日本石油はプレミアム軽油用の地下タンクとポンプを別に設け、消費者が両者を選択できるようにしていたのに対し、三菱石油はそれぞれを扱う店舗を分け、専売とする方針であった。日石三菱のガソリンスタンドのブランド(トレード)がENEOSに変更され、社名が新日本石油(現在のENEOS)に変更された後もプレミアム軽油の販売が継続されていたが、前記の理由で全てのENEOSのサービスステーションで取り扱われていたわけではない(特に高速道路のサービスエリアやパーキングエリアに設置されているガソリンスタンドにおいては、プレミアム軽油を取り扱っていなかった)。 なお、三井石油は2002年、ENEOSは2011年3月31日、コスモ石油は2012年3月31日をもってプレミアム軽油の販売を終了した。ENEOSではプレミアム軽油販売終了後、ノーマル軽油に軽油添加剤「ENEOSエコフォースD」を、コスモ石油では「エコディー・ファイン」を入れることでプレミアム軽油とほぼ同等の性能が得られると知らせている。しかし、最近になってENEOSが再びプレミアム軽油の販売を始めたが全てのSSで取り扱いがあるわけではなく、一部のSSのみである。
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