プランシュレルの定理とフーリエ反転定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 04:56 UTC 版)
「ポントリャーギン双対」の記事における「プランシュレルの定理とフーリエ反転定理」の解説
すでに述べたように、局所コンパクト可換群の双対群はそれ自身局所コンパクト可換群であり、したがってハール測度を(もっとはっきり言えば互いに正数倍の関係にあるハール測度の全体からなる族を)持つ。 定理 双対群上のハール測度を適当な定数倍に取り替えることにより、フーリエ変換の G 上のコンパクト台連続函数の集合への制限が等距線型写像となるようにすることができる。またそれをユニタリ作用素 F : L μ 2 ( G ) → L ν 2 ( G ^ ) {\displaystyle {\mathcal {F}}\colon L_{\mu }^{2}(G)\to L_{\nu }^{2}({\hat {G}})} に一意的に拡張することができる。ここで ν は双対群上のハール測度である。 コンパクトではない局所コンパクト群 G に対し、空間 L1(G) は L2(G) を含まないことに注意が必要である。したがって、そのような稠密集合への制限にはいくつかの技術的な手法を用いなければならない。 (Loomis, 1953) に従い、G および G^ のハール測度の組が互いに対応(随伴、同伴)するということを、それらの測度に関する積分の下フーリエ反転公式が成立するということによって定める。フーリエ変換のユニタリ指標は ∫ G | f ( x ) | 2 d μ ( x ) = ∫ G ^ | f ^ ( χ ) | 2 d ν ( χ ) {\displaystyle \int _{G}|f(x)|^{2}\ d\mu (x)=\int _{\hat {G}}|{\hat {f}}(\chi )|^{2}\,d\nu (\chi )} が G 上のコンパクト台付き複素数値連続函数に対して成立することを含意している。 このフーリエ変換のユニタリ拡張を自乗可積分函数の空間上のフーリエ変換と考えることができる。双対群もそれ自身の逆フーリエ変換を持ち、それはフーリエ変換の逆変換(あるいはユニタリ性があるから随伴)として特徴付けられる。フーリエ反転公式の内容は次のように述べられる。 定理 フーリエ変換をコンパクト台付き連続函数の空間へ制限したものの随伴作用素は逆フーリエ変換 L ν 2 ( G ^ ) → L μ 2 ( G ) {\displaystyle L_{\nu }^{2}({\hat {G}})\to L_{\mu }^{2}(G)} である。ここで G および G^ の測度は対応するものをとる。 G = Rn の場合、G^ = Rn であり、Rn における通常のフーリエ変換が μ = ( 2 π ) − n / 2 × Lebesgue measure , {\displaystyle \mu =(2\pi )^{-n/2}\times {\mbox{Lebesgue measure}},} ν = ( 2 π ) − n / 2 × Lebesgue measure {\displaystyle \nu =(2\pi )^{-n/2}\times {\mbox{Lebesgue measure}}} と置くことにより得られる。G = T の場合は双対群 G^ は自然に正数全体の成す加法群 Z に同型であり、上述の作用素 F は周期函数のフーリエ級数の係数の計算に特殊化される。 G が有限群ならば離散フーリエ変換が得られる。この場合は直接証明するほうが簡単である。
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