ブリストル・エンジン社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 09:26 UTC 版)
「ブリストル飛行機」の記事における「ブリストル・エンジン社」の解説
ブリストル・エンジン社は、もともとは第一次世界大戦以前からあった自動車メーカー、ブラジル・ストレイカー社の後身のコスモス・エンジニアリングという別個の会社だった。1917年に、コスモス社は空冷星型エンジン開発の依頼を受けた。それは後にブリストル マーキュリーとなる、複列星型14気筒のものであった。彼らはこれを1918年に完成させたが、注文はわずかだった。しかしより小型でよりシンプルな星型9気筒のタイプは大きな成功を収めた。このエンジンはブリストル ジュピターとして知られている。 第一次世界大戦後、軍需が急速に減ったことによりコスモス・エンジニアリングは経営危機に瀕した。航空省はブリストル飛行機がコスモス社を買収するように促した。ジュピターは1920年代を通してアームストロング・シドレー・ジャガーと争ったが、ブリストル社はその設計により多くの力をつぎ込み、結果として、1929年にはジュピターが明らかに優位に立っていた。1930年代には、彼らはスリーブバルブ原理にもとづく新たな星型エンジンの系列を開発し、それは世界で最も強力なピストンエンジンに発達して、1960年代まで販売されていた。 1956年にエンジン部門は「ブリストル・エアロ・エンジン(Bristol Aero Engines)」と名を変えたが、ブリストルの機体製造部門が他社と合併してBACをつくったのと同じように、1958年にアームストロング・シドレー社と合併して「ブリストル・シドレー」となった。1966年、ブリストル・シドレーはロールス・ロイスによって買収され、ロールス・ロイスはイギリス唯一の大規模航空エンジン企業となった。ロールス・ロイスは、ブリストル・シドレーによって開発されたエンジンについてもロールス・ロイス・ブランドで生産することとしたため、オリンパス・ターボジェットエンジンやペガサス・エンジンもみな「ロールス・ロイス」の名を冠することとなった。ブリストルによって与えられた古典的な名称は、イギリスの河川の名前から付けられるロールス・ロイス社の製品の中で、かろうじてその由来を示している。
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