フリー騎手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 16:07 UTC 版)
中央競馬では「厩舎に所属しない」という意味でフリーランスの騎手が多数存在する。このような騎手をフリー騎手と呼ぶ。ただし一般的な「フリーランス」の意味とは異なり、厩舎に所属していなくても美浦か栗東、いずれかのトレーニングセンターに所属している上、さらにいえば日本中央競馬会 (JRA) に所属していることになる。 以前は実績のある騎手が所属厩舎と疎遠になったり、所属厩舎が解散したことを契機としてフリー騎手になるケースが多かったが、最近では一定期間を経過した若手騎手が実績に関係なくフリー騎手になるケースも多い。逆にフリーでやってきた騎手が厩舎とのつながりが生まれて厩舎に所属することもある。 この中央競馬のフリー騎手の嚆矢として知られるのは、「ナベ正」こと渡辺正人(1963年引退)である。渡辺の場合は戦前に入門した厩舎が太平洋戦争による競馬中止により消滅、戦後になっても復活せず、戦後も師匠の弟弟子など縁故のある厩舎に籍を置いたものの、当時の厩舎の人間関係では騎乗馬に恵まれず、最終的には自ら営業して騎乗馬を集めるようになったものである。当時はまだフリー騎手という概念も言葉もなかった。 地方競馬の場合、次に述べる南関東を除き、少なくとも騎乗の自由は認められていない。地方競馬においては厩舎無所属での騎乗は認められておらず、必ずどこかの競馬場に所属する厩舎に騎手として所属する。これは期間限定騎乗騎手や短期免許でも同様である。南関東公営競馬では2012年4月1日から騎手会所属騎手制度が導入され、所定の条件を満たす者は南関東地区の各競馬場が所在する都県の騎手会所属騎手として、厩舎無所属で騎乗できるようになった。内田利雄が地方競馬初のフリー騎手と言われることがあるが、それは一定の競馬場に長期間所属しないという意味であって、それぞれの競馬場では厩舎に所属している。 外国籍の騎手が短期騎乗する場合には、中央競馬の場合は馬主と競馬関係者が身元保証人になる形でJRAから短期免許を得るがあくまでフリー騎手の立場で騎乗することも多い。地方競馬の場合には身元保証人の必要と短期免許をNARから交付される点は同様だが調教師と契約し厩舎に所属という形を必ずとっている。
※この「フリー騎手」の解説は、「騎手」の解説の一部です。
「フリー騎手」を含む「騎手」の記事については、「騎手」の概要を参照ください。
フリー騎手と同じ種類の言葉
Weblioに収録されているすべての辞書からフリー騎手を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からフリー騎手を検索
- フリー騎手のページへのリンク