ふゆ‐ざんしょう〔‐ザンセウ〕【冬山×椒】
冬山椒
フユザンショウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/11 09:44 UTC 版)
フユザンショウ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Zanthoxylum armatum DC. var. subtrifoliatum (Franch.) Kitam. (1972)[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
フユザンショウ(冬山椒)別名 フダンサンショウ(不断山椒) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Winged prickly ash |
フユザンショウ(冬山椒[3]、学名: Zanthoxylum armatum DC. var. subtrifoliatum (Franch.) Kitam.[1])は、ミカン科サンショウ属に分類される常緑低木の1種[4]。 名前の由来は冬でも葉を落とさないサンショウという意味。 学名の「armatum」は、「刺のある」の意味。冬でもわずかに葉を残す。
分布と生育環境
日本では本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄の丘陵帯に分布する[3][4]。
特徴
常緑広葉樹の低木。樹高は2 - 3メートル (m) ほど。雌雄異株だが[4]日本では雌株だけしか存在しない。樹皮は灰黒色で筋があり、こぶ状の大きなトゲの名残がある[3]。若い幹の樹皮は皮目が多い[3]。一年枝は赤褐色で、無毛または毛が残り、枝や葉柄の基部には対生するトゲがある[3]。若い枝やトゲは同じ色合いで、白い葉痕が目立つ[3]。葉は奇数羽状複葉で互生する。葉柄には翼がある。小葉は3 - 7の長楕円形。頂小葉が一番大きい。葉縁には鋸歯がつく。
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灰黒色の樹皮で大きなトゲがある
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葉は奇数羽状複葉で互生し、葉柄には翼がある
花期は4 - 5月ごろ[3]。葉腋に2 - 3センチメートル (cm) の花序を出し、淡黄緑色の小さな花をつける。雌株だけで実をつける単為生殖で増える。果期は8月で、10 - 11月には果実は赤く熟し、2つに分かれる。種子は黒色で直径約5ミリメートル (mm) ある。
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赤く熟した果実(10月)
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2つに分かれる黒い種子
冬芽は裸芽で、幼い葉が小さく集まり、側芽は枝に互生する[3]。葉痕には維管束痕が3個つく[3]。
日本での利用
葉や実には芳香性が無いので、サンショウのように食用にはならないが、サンショウの接ぎ木の台木としては用いられる。
脚注
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Zanthoxylum armatum DC. var. subtrifoliatum (Franch.) Kitam. フユザンショウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月26日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Zanthoxylum planispinum Siebold et Zucc. フユザンショウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 119
- ^ a b c d e 林 (2011)、380頁
参考文献
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、119頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 林弥栄『日本の樹木』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日。 ISBN 978-4635090438。
関連項目
外部リンク
- フユザンショウの標本 国立科学博物館標本・資料統合データベース
- GKZ 植物事典 フユザンショウ
- 植物雑学事典 フユザンショウ - ウェイバックマシン(2006年9月4日アーカイブ分)
- Zanthoxylum armatum var. subtrifoliatum (Franch.) Kitam. GBIF 2025年1月12日閲覧。
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