フィラメントの性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 17:00 UTC 版)
「プラズマボール」の記事における「フィラメントの性質」の解説
プラズマボールの表面に指先を当てると、そのスポットにフィラメントが引き寄せられてくる。人体は1 kΩ前後の抵抗値を持つ導体であり、指とイオン化ガスに挟まれたガラス壁はコンデンサの誘電体としてはたらくため、内球からガラス壁や人体を介してグラウンドまでインピーダンスが低い経路が形成されるためである。この時流れる電流は1 mA程度の小さいもので、主に皮膚の表面を流れるため危険性はない。内球と指をつなぐフィラメントはほかよりも細く、明るくなる。チャネルを通る電流が増えることで明るくなり、電流が周囲に作る磁場が増大することで、チャネル自身にはたらく圧縮力が強められるのである。後者は自己収束(en:self-focusing)と呼ばれる磁気流体力学的効果である。 プラズマフィラメントは定常的に存在しているように見えるが、実際には寿命10 μs程度の短命なフィラメントが交流サイクルごとに現れたり消えたりしている。フィラメントは中心電極が負電位のときに内球付近で発生し、秒速10 kmほどの速さで外球に向けて伸びていく。フィラメントが消失した後、次のフィラメントは気体中に残存する電子やイオンを利用して同じ経路をなぞるように生成する。 フィラメントが動き回る理由の大部分はフィラメント周辺の気体が温められるためである。熱くなった気体は浮力を受け、フィラメントとともに上昇する。フィラメントの先端が指などの導体につながっているなら、中間部のみが上昇して弧を描く。電極から導体までの経路が長くなりすぎるとフィラメントは消失し、電極と導体とをまっすぐつなぐフィラメントが新たに生成する。
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