ファウスト伝説におけるメフィストフェレス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 22:50 UTC 版)
「メフィストフェレス」の記事における「ファウスト伝説におけるメフィストフェレス」の解説
「ヨハン・ファウスト」も参照 大元のドイツの民衆本によると、錬金術師であり降霊術師でもあったゲオルク・ファウストが、己の魂と引き換えにメフォストフィレス〔ママ〕を召喚し、自己の尽きせぬ欲望を満たそうとしたとされる(それについては1587年に出版された『実伝ヨーハン・ファウスト博士』、通称「ファウスト本」に詳しい)。このファウスト伝説が広く知られると、格好の創作対象となり、多くのファウスト伝説及びメフィストフェレスが描かれた。比較的早い時期では劇作家のクリストファー・マーロウが1593年に『フォースタス博士』を書いている。19世紀に書かれたゲーテの『ファウスト』は、彼の代表作としても知られる。 ファウスト伝説のメフィストフィレスは、この世におけるファウストの望みを叶える代わりに、その魂をもらう(死後は自分の支配下に置く)ことをファウストと取り交わす。メフィストフィレスは契約に忠実な様子を見せる一方で、巧みな弁舌でファウストを操作しようとする。その結末は作品によってかわり、メフィストフィレスの目的が達成される場合もあれば、ファウストの魂を手に入れられないこともある。また悪魔としての設定も、作品によって異なる。マーロウの『フォースタス博士』に登場するメフィストフェレスは、ルシファーに仕える悪魔で、彼と共に神に反逆したことになっている。ゲーテの『ファウスト』に登場するメフィストフェレスは誘惑の悪魔とされ、神との賭けでファウストの魂を悪徳へ導こうとする。 コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、「ファウストの魔神」と紹介されている。17世紀までには、ファウスト伝説は広く世に知られ、ファウストやメフィストフェレスを主題としていなくても彼らの名前が登場することがあった。例えばシェークスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』では相手を罵倒する言葉として「メフィストフェレス」が用いられている。
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