ファインアートのインクジェット印刷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 02:54 UTC 版)
「デジタル印刷」の記事における「ファインアートのインクジェット印刷」の解説
ファインアートのデジタル・インクジェット印刷は、コンピュータ内の画像ファイルを直接インクジェットプリンターで印刷して最終出力とする。コダックや3Mといったメーカーがデジタル加工技術として発展させ、アーティストや印刷業者がまず前工程(プリプレス)でのファインアートの印刷に採用し、色校正などに使用した。例えば1985年に発売されたIRISプリンター(英語版)がある。David Coons がこれを使用したファインアート用システムを作り、ミュージシャンでもあるグラハム・ナッシュが1991年にそれを使ったファインアート専門の印刷会社を創業した。当初は光沢紙しか使えない機種が多かったが、IRISプリンターは様々な紙への印刷を可能にした。ファインアートのデジタル印刷といえばIRISプリンターといった時期もあったが、その後セイコーエプソンやHPが大判のプリンターを発売し、退色が遅く保存性のよいインクやファインアートの印刷用に作られた紙も登場した。 ファインアートのインクジェット印刷に使う紙としては、 Rives BFK、Arches の水彩用紙などがあり、他にキャンバスや、実験的な金属やプラスティック、布地などにも印刷されている。 アーティストの作品を複製する場合、従来からの4色刷りオフセット印刷よりも1枚の印刷では高くつくが、インクジェット印刷では高価な版を作る必要がなく、注文を受けてすぐ印刷できるので、在庫を抱える虞もない。また、アーティスト自身が複製の制作から販売までを自分で管理できるという利点もある。 デジタル・インクジェット印刷は各種デジタルアートの出力にも使われている。
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