ヒロイン決定まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:35 UTC 版)
「鬼龍院花子の生涯」の記事における「ヒロイン決定まで」の解説
女優が本を送ってくるということは「自分がヒロインをやりたい」という暗黙の意思表示であるが日下部は「松恵」を梶が演じるには大人すぎると判断、梶には「松恵」以外の役なら誰でもキャスティングすると説得したが梶は譲らず。企画のきっかけを与えてくれた功労者との交渉は決裂した」と話している。 五社は主役を大竹しのぶと考え、長い期間、交渉を続けていた。しかしスタッフの厳しさが評判になっていた京撮の仕事を大竹が頑なに嫌がり、東映の社史『クロニクル東映』での五社の証言でも「主演は大竹しのぶさんを候補に挙げていたのだが、どうしてもOKがとれなかった。『アクションの五社作品では(出演したくない)』ということではなかったかと思う」と書かれている。その他、当時の五社の評判は、芸能界であまり好ましいものではなく「あの監督にかかったら、何をされるか分からない。間違いなく脱がされるだけ」と、特に女優の間で敬遠されていた。大竹が降りると言ってきて五社は連日酒を飲み、「上等だ!大竹しのぶがなんぼのもんじゃい!」と息巻いていたといわれる。五社は自分からは頑として女優に頭を下げることはなく、頭を下げたのは遺作となった『女殺油地獄』(1992年)の樋口可南子だけだったという。五社は「大竹がダメなら他の女優で」と要請したが、東映の製作サイドが「せめてヒロインだけは大物女優にして箔をつけないと文芸作品として成り立たない」と拒否。当時の大竹は演技派女優として飛ぶ鳥を落とす勢いだった。クランクインを半年延期して、さらに大竹の出演交渉を粘り強く続けたがやはり大竹は辞退した。この時点で岡田は「製作は一時中断に追い込まれた」と話している。
※この「ヒロイン決定まで」の解説は、「鬼龍院花子の生涯」の解説の一部です。
「ヒロイン決定まで」を含む「鬼龍院花子の生涯」の記事については、「鬼龍院花子の生涯」の概要を参照ください。
- ヒロイン決定までのページへのリンク