パーシュパタ・シヴァ主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 04:47 UTC 版)
「ヒンドゥー哲学」の記事における「パーシュパタ・シヴァ主義」の解説
パーシュパタ・シヴァ主義は主要なシヴァ主義学派の中で最も古い。パーシュパタ派は2世紀にラクリシャによって体系化された。パシュパティのパシュには、結果(つまり創造された世界)が言及されており、その言葉は隠されたものに依拠しているものを示している。パティは原因(あるいは起源)を意味するのに対し、その言葉は世界の原因、パティ、あるいは支配者である主を示す。霊魂を最高位の存在に隷属させる神学で知られたヴィシュヌ派に対してパーシュパタ派は難色を示したが、これは、何かに依存することは苦痛やその他の望まれた目標を止める手段にはなりえないとパーシュパタ派が考えたからである。他者に依存しつつ独立できるときを待ち望む者は自分自身以外のものに依存しているのだから決して解脱できないと彼らは考えていた。パーシュパタ派によれば、霊魂は「苦痛の全ての芽」から解放されたとき至高の神性と同じ特性を持つようになるという。 パーシュパタ派では創造された世界が知覚を持たないものと持つ者に区別された。知覚を持たないものは意識も持たず、そのため知覚や意識を持つものに依存するとされた。知覚を持たないものはさらに結果と原因に分けられた。結果は、大地、四大元素及びその性質、色の十種類やその他に分けられた。原因は五種類の感覚器官、五種類の運動器官、三種類の内的器官、知性、自己原理、知覚原理の十三種類に分けられた。この非知覚的原因は自己と非自己とを錯覚により同一視するとされた。パーシュパタ・シヴァ主義において、解脱とは魂の知性を通じての神との結合を伴うものであった。
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