パンと塩の習慣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/26 08:17 UTC 版)
一般的には、伝統的な服装(サラファンなど)を纏った若い女性が白またはきれいに刺繍した大きな布にパンを乗せて胸の高さに持ち、パンの中心の小さな皿に塩を乗せて歓迎する。歓迎される方はパンをひとかけらちぎって取って、塩を少し付けて食べて歓迎に答える。 ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ブルガリア、ポーランド、マケドニア、セルビアなど広く行われているだけでなく、近隣のルーマニア、バルト三国、ドイツ、ユダヤ人の間でも、似たような習慣がある。 パンは基本的には無味の黒パンで円形をしていて、近来は普通の白いパンで甘みを付けた物もある。減塩している人や、パンを食べたくない人は、パンを口へ運び食べるふりをすればいい。 こうした習慣が生まれたのは、パンが食料の主要なものであり、塩はこれらの国では政府の高い税金がかけられたせいもあり高価なものであったためともいわれている。結婚式でも、新郎新婦へ門出を祝う意味でパンと塩を上げる習慣もあり、この場合はカラヴァイ(英語版)(Каравай)と呼ばれる飾りを付けて焼いたパンも使われる。 スラブ語圏以外での慣習 アラブ地域では、一緒に食べることによって同盟・和解を象徴する食べ物である。 ユダヤの文化でも歓迎の意味で振舞われたり、キッドゥーシュ(安息日)にパンに塩を付けて食べる習慣がある。 スコットランドを含むイギリス北部では、正月(ホグマネイ)に、お客が「パンと塩と石炭」(パンは食べ物、石炭は燃料、塩は健康に困らないようにという縁起を担いでいる)を持ってくる習慣がある(他に、ウィスキー、フルーツケーキなどの縁起物も土産に持ってくる処もある)。
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