パニックの起こる状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 06:50 UTC 版)
パニックは、正しい情報を得られない状況に陥った人々が冷静な判断力を失った時に発生する。こうしたパニックが発生する状況には幾つかの必要条件がある。それはまず群衆が差し迫った脅威を現実のものとして実感していること、何からの方法によってその危険から逃れて助かる見込みがあると信じられていること、しかし確実な脱出が困難であり、他の脱出者との競争に勝たなければ生き残れないかもしれないという危機感が集団の間に広がること、そしてコミュニケーションが機能せず全体の状況を把握することができなくなること、といった条件である。これらの条件はいずれも実際の状況がそのようなものであるかどうかに関係なく、人々の主観的な思い込みだけで引き起こされるが、条件のうちの幾つかが成り立たなくなれば、パニックを防ぐことができる。 一方、火災などの差し迫った脅威から助かるために争って出口に殺到することが、たとえ理性的に判断したとしても唯一の合理的な生存手段となる状況で、そのような避難行動を取ったことによって助かった成果が、避難行動のせいで生じた犠牲を上回るような場合、このような集団行動をパニックと呼ぶことに対しては異論がある。ただし生存者が少なく現場の損傷が激しいような場合、そのような避難行動が合理的な判断に基づく行動であったかどうかは判断が困難な場合もあり、折り重なった遺体の状況から「パニックが起こった」と安易に結論づけられてしまう場合もある。
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