バーブリー・マスジド破壊事件
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「インドの宗教間対立」の記事における「バーブリー・マスジド破壊事件」の解説
インド北部のアヨーディヤーは、インドの叙事詩ラーマーヤナの主人公ラーマ王子の生誕地とされ、ヒンドゥー教徒の重要な聖地である。1528年この地にムガル帝国初代皇帝バーブルがイスラム教の礼拝所モスクを建設し、バーブリー・マスジド(バーブルのモスク)と名づけられた。1980年代後半以後ヒンドゥーの聖地に存在するモスクに対しヒンドゥー至上主義者たちの反感が高まり、1992年12月6日に「世界ヒンドゥー協会」のメンバーが先頭となり多数の暴徒化したヒンドゥー教徒がモスクに押し寄せ、モスクを破壊し倒壊させた。この事件はインド全土に波及し各地で暴動が起こって死者の数は1000人を超えた。 バーブリー・マスジドの跡地は政府が管理していたが、民族義勇団と世界ヒンドゥー協会はこの地にヒンドゥー寺院の建設を認めるよう当時のインド人民党政府に迫り、2002年2月にアヨーディヤーで寺院建設のための大規模な決起集会をインド全土から賛同者を集めて開催した。インド人民党は民族義勇団と近い政党であるが、この時は連立政権の他党の反発を恐れ建設許可を出さず、結果的に裁判所が2002年3月「マスジド跡地での宗教活動の禁止」を命じた。ところが決起集会に参加したグジャラート州の世界ヒンドゥー協会のメンバーが乗った列車がグジャラート州のゴードラー駅でイスラム教の暴徒に放火され、死者58人を出した。事件の翌日からグジャラート州内で暴動が多発し、死者は合計で800人を超えた。
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