ハエ媒およびアブ媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 05:33 UTC 版)
「送粉シンドローム」の記事における「ハエ媒およびアブ媒」の解説
双翅目(ハエ・アブなど)による送粉には、"myophily"(仮意訳:双翅目媒)および"sapromyophily"(仮意訳:腐生双翅目媒)の2種類がある。 myophily 双翅目成虫の食性は多様性に富み、ツリアブ・ハナアブなどは花粉食・蜜食のために花を訪れる。またある種のミバエの雄は、花蜜を作らないランが作る特殊な花の化学物質(ハエの性フェロモンの前駆体または効能促進物質)に誘引される。このように花の持つ花粉・花蜜・化学物質(香り)に誘引される場合を、myophilyに分類する。Myophilous(仮意訳:双翅目媒性)植物は強烈な異臭を持つ傾向はなく、紫・すみれ色・青・白の花色を持ち、開いた皿状もしくは筒状を持つ傾向がある。 sapromyophily 双翅目には動物遺体や糞(デトリタス)を餌とするハエも多く含まれる。それらのハエは異臭を放つものに似た香りの花に誘引される。報酬がない場合、ハエはすぐにその花から離れるが、離れるのを遅くする罠を持った花もある。そういった花は、強烈で不快な匂いを持って、茶色またはオレンジ色をしている。それらは sapromyophilous(仮意訳:腐生双翅目媒性)植物と呼ばれ、 myophilous植物ほどは一般的ではない。 双翅目昆虫は多くの異なった食料源を利用しており、送粉活動は頻度が低く不安定である。しかしながら、年間を通した各種の双翅目昆虫の存在と、その圧倒的な生息数は、双翅目昆虫が多くの植物にとって重要な送粉者である要因になっている。 他の昆虫類の種類が少なく双翅目昆虫が比較的に多くなる寒冷な状態(高山・高緯度地域、晩秋から早春)では、双翅目昆虫は重要な送粉者である。
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