ハイルマニ菌群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 14:44 UTC 版)
「ヘリコバクター・ハイルマニ」の記事における「ハイルマニ菌群」の解説
2018年現在、ヘリコバクター属は基準種であるピロリ菌以外にも40種以上を含む属である。このうちHelicobacter heilmannii以外の人に感染するヘリコバクター属も、"ハイルマニ"あるいは"ヘリコバクター・ハイルマニ"と呼ぶことがある。これらはHelicobacter heilmanniiのほか、H. bizzozeronii、H. felis、H. salomonis、H. suisなどの総称であり、分類学上のHelicobacter heilmannii(ヘリコバクター・ハイルマニ)とは異なる概念である。大腸菌と大腸菌群の関係に近い。 マウスを用いた実験では、病原性や感染力が強いことも判明しており、ウレアーゼ活性が無いものもいるため、ピロリ菌検査では発見できない可能性が高い。このため、ピロリ菌検査で陰性でも胃炎が続く場合は、ハイルマニ菌群の感染が疑われることがある。慢性胃炎患者の0.2-6%から検出されるが、特異的な診断方法は確立されておらず、組織切片中の大型のらせん状形態を示す細菌の存在をもとに感染診断が行われる。 ピロリ菌は通常、霊長類にしか感染しないが、Helicobacter heilmanniiを含むハイルマニ菌群はイヌ、ネコ、ブタなどにも感染する人獣共通感染症である。ピロリ菌の感染が無くても胃がんを発症したケースでは、イヌ、ネコなどペット経由でハイルマニ菌群に感染したことが原因となる可能性が指摘されている。北里大学の研究者の中村正彦らは胃がんの一種である胃MALTリンパ腫の患者の約6割が、ピロリ菌陰性でハイルマニに感染していることをつきとめた[要出典]。ペットからの感染を避けるには粘膜と粘膜を接触させたり、口移しで餌を与える行為、キス、一緒にお風呂に入ることなどを避け、また排泄物、吐瀉物の処理にも手袋使用と処理後の手洗いなど細心の注意を払わねばならない。
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