ハイブリッド設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/26 13:49 UTC 版)
「ネーレウス (無人潜水機)」の記事における「ハイブリッド設計」の解説
ハイブリッド式の遠隔操作無人潜水機とは、無索または船上の操縦者から細い光ファイバーによる有索での運用のどちらでもできる事を意味し、これにより深海でも高度な運用が可能になる。芯線の周囲を樹脂で被覆された光ファイバー線の直径は、毛髪と同じくらいの直径で4kgまでの張力しか耐えられない。およそ40 km (25 mi)のケーブルを、母船上と潜水機本体のそれぞれに備えられた2個の缶コーヒー大の小型の容器に入れて運び、降下に伴い繰り出す。この細い線は従来の索より小さく、軽量で廉価である。 ネーレウスの重量は空気中でおよそ3㌧で全長約4.25m、幅2.3mである。深海の高圧下で作動するように慎重に試験された4000個以上のリチウムイオン電池から電力を供給される。浮力材として一般的な潜水艇に使用されている遥かに重いシンタクチックフォームではなく、正確に設計されたセラミック球を使用する。機体の上部に2個あるそれぞれの船殻には、高圧下で使えるように特別に設計されたおよそ700から800個の9cmのホーローの球が満たされる。セラミックは同様に従来はチタン製だった耐圧殻にも使用される。シンタクチックフォームも一部で使用される。限られた容量の充電池からの電力で作動する高効率で軽量のロボットマニピュレータを試料採取の為に備えており、高圧下でも油圧で運用できる。有索の代わりにネーレウスは自由航行モードに切り替えて海洋底の測量を目的とした自律型無人潜水機としても運用可能である。 機体の設計において設計チームはこれまでに開発された自律型無人潜水機(AUV)と有索式ロボット(ROV)の経験を活用し、広大な海洋底を調査する為にあたかも航空機のように飛ぶだけでなく小さな領域に留まって実験したり岩石や海洋生物試料の採取を可能とする遠隔操作型無人潜水機(ROV)に容易に転換できるハイブリッド機に仕立てた。
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