スーパーリアリズム
【英】:SUPERREALISM
【別称】:ハイパーリアリズム シャープ・フォーカス・リアリズム フォト・リアリズム
ハイパーリアリズムとも言う。「リアリズム以上のリアリズム」の意味で、第二次大戦後の美術の傾向のひとつ。1960年代から70年代にかけて欧米、特にアメリカを中心に現われた動向で、抽象表現主義の対極的反動として現われたもの。ポップ・アートや、人体を写実的に描くフィリップ・パールスタインのニューリアリズムなどの影響がうかがわれる。実物とみまがうばかりの完全な再現から、細部のクローズアップによる細密描写や、機械的複製の応用などさまざまな手法があるが、基本的には、写真を利用し、人物、都市のシーンなどを主観をまじえずに克明に描写したり、本物そっくりの人間像を作ったり、物体の質感、光沢を再現しようとしたりする。これらは、またシャープ・フォーカス・リアリズム、フォト・リアリズム、フォト・アートなどとも呼ばれる。一面においては、現代のコピー文化を反映するものともいえるが、その目指す方向は作家によって大きな幅がある。代表的作家としてはチャック・クロース、リチャード・エステス、ドゥエン・ハンソンなどがあげられる。
スーパーリアリズム
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スーパーリアリズム(英:Super-Realism)は、写真を用いて対象を克明に描写する美術の潮流である。ハイパーリアリズム、フォトリアリズム、ニューリアリズム、シャープ・フォーカスなどともいう[1]。1960年代後半から70年代はじめにかけて主としてアメリカ合衆国で起こった。主要な作家にロバート・ベクトル、チャック・クロース、リチャード・エステス、マルコム・モーリーなどがいる[2]。彼らは互いに独立して制作をはじめ、画家としての出発点もそれぞれ異なるが、市民生活や都会風景、一般人の肖像画など、ごくありきたりな主題を写真を用いた機械的な手法(多くは写真をプロジェクターでキャンバスに投射し、エアブラシなどを用いながら転写する手法が用いられる[3])で克明に写し取る作風において共通している。この手法の結果として、彼らの絵画は写真の平面性を再現した、また感情を廃したものとなる[2][3]。
- ^ Meisel, Louis K. Photorealism. Harry N. Abrams, Inc., Publishers, New York. 1980. p. 12.
- ^ a b c d e ロバート・アトキンス 「フォト・リアリズム」 『現代美術のキーワード』 杉山悦子ほか訳、美術出版社、1993年、118-119頁
- ^ a b c d 成相肇. “スーパーリアリズム”. アートワード 現代美術用語辞典ver2.0. 大日本印刷株式会社. 2013年6月4日閲覧。
- ^ a b 高見堅志郎「スーパーリアリズム」 Yahoo! 百科事典(『日本大百科全書』) 2013年6月4日閲覧。
- ^ a b Lindey, Christine Superrealist Painting and Sculpture, William Morrow and Company, New York, 1980, p. 23.
- ^ Fleming, John and Honour, Hugh The Visual Arts: A History, 3rd ed. Harry N. Abrams, 1991 p. 709.
- ^ Lindey, Christine Superrealist Painting and Sculpture, William Morrow and Company, New York, 1980, p. 12.
- ^ Chase, Linda. Photorealism at the Millennium: The Not-So-Innocent Eye: Photorealism in Context Harry N. Abrams, New York, 2002, pp 11-12.
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