ハイデッカー前面展望車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 09:35 UTC 版)
セッテベロ形構造の車両は、車体強度確保や運転士の乗降、衝突対策などクリアすべき制約が多く、扱いにくいこともあり、日本では限られた鉄道で用いられたのみに終わった。 これに代わって高床式(ハイデッカー)の前面展望車両が1980年代以降に出現している。発想は観光バス等と共通したもので、運転台を通常の床面に置き、直後の客席床面を大きく嵩上げした上で、車両前面の窓ガラス面積を大きく取り、運転台の頭越しに前面眺望を確保する手法である。多くの場合は客室側面窓も大きく作られ、全方向への眺望確保を図っている。 セッテベロ形よりも構造が簡単で、運用が容易であることから、電車・気動車における前面展望車両の一つの主流となっている。 日本では、1984年に登場した名古屋鉄道の8800系「パノラマDX」が最初である。パノラマ形展望車の代表格である7000系の後継車1000系「パノラマSuper」もハイデッカー型で製造されている。 その後は伊豆急行の2100系「リゾート21」やJRのジョイフルトレイン、近鉄の50000系「しまかぜ」など、リゾート列車への採用例が多い。
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