ドン・ジュアン伝説についてとは? わかりやすく解説

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ドン・ジュアン伝説について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 08:45 UTC 版)

ドン・ジュアン (戯曲)」の記事における「ドン・ジュアン伝説について」の解説

この伝説の起源スペインにあり、これを初め戯曲にしたのはティルソ・デ・モリーナであった。この戯曲は、彼が修道僧であったせいか、宗教的な色彩の濃い作品となっており、ドン・ジュアン単なる女にだらしない男としてしか描かれていないどのような経路イタリアへ伝わったのかは不明であるが、おそらくコンメディア・デッラルテ伝わってのことだと思われるこの伝説がイタリア伝わってから豊かに肉付けされ、コミカルな要素がかなり増えて宗教的な色彩弱まった1650年頃チコニーニ(英語版)などによってこれを題材とする喜劇生まれた17世紀半ばイタリア人喜劇劇団によって即興劇として、フランスにまでもたらされた。これが大成功収めたので、いくつかのフランス語版ドン・ジュアン」が生まれることとなった初めに手を付けたのは、ルイ14世王女所有する劇団所属していたドリモンなる作家で、1659年リヨンにて書籍として刊行された。かなり自由な翻訳で、翻案呼んだほうがふさわしいものであったという。これと前後してパリブルゴーニュ劇場俳優ド・ヴィリエが、極めて忠実な翻訳であると自賛するフランス語訳作成した。この2人作品成功収めたようだが、その内容はそっくりである上に、ド・ヴィリエ作品出版に際してその序文で、「イタリア劇団ドン・ジョヴァンニ評判のよさを聞いた劇団仲間から、イタリアものをフランス語移し替えるように勧められた」と述べているところを見るに、同じ作品下敷きにしたと考えられる。ただし、この伝説を扱ったイタリア人の手になる作品は、チコニーニの作品しかないので、散逸してしまった別の作品底本としたのだろう。確証はないが、1652年ナポリ出版され記録のある、ジリベルトの作品下敷きにしたのではないか考えられている。 この2作品は現在となっては、モリエール着想与えたという以外に文学的な価値がなく、内容的に大し面白題材とも言えないような「ドン・ジュアン」が大成功収めていたのは、騎士の像が口をきいたり、主人公打たれたりする舞台技巧当時パリ市民たちに喜ばれたからである。

※この「ドン・ジュアン伝説について」の解説は、「ドン・ジュアン (戯曲)」の解説の一部です。
「ドン・ジュアン伝説について」を含む「ドン・ジュアン (戯曲)」の記事については、「ドン・ジュアン (戯曲)」の概要を参照ください。

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