ドット落ちとメーカの取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 05:57 UTC 版)
「ドット落ち」の記事における「ドット落ちとメーカの取り組み」の解説
表示領域の目立つ箇所にドット落ちがある製品は、ユーザーのドット落ちに対する許容範囲に個人差はあるが、メーカー仕様とはいえ購入する側にはそれで満足できないこともある。また、ドット落ちの箇所とディスプレイに映す映像内容によっては、ドット落ちが大きく目立ってしまうこともある。例えば、テレビ放送のように常に画面全体で動画表示されているものや、液晶テレビ等では視聴の際ディスプレイから離れて見るために気にならなくても、PCディスプレイのように接近して注視するもの、静止画を表示するもの、携帯電話のように小さくて低解像度のものでは1つのドット落ちでも気になる場合もある。 したがって、パネルメーカーとセットメーカーとの間では、コスト・製品の性質・ユーザー層等を勘案し、ドット落ちについて詳細な取り決め(出荷基準)を定めている。実際の出荷基準は、ドット落ちの種類(輝点であるか黒点であるか)、位置、および色を定めてそれぞれの許容数が決められ、さらに複数ある場合には、ドット落ちの互いの距離などの詳細にわたって定められている。 なお、当然のことながらパネルメーカーは品質向上を目指し、ドット落ちゼロに向けた品質管理や各種技術開発を行っている。例としては、完成後の検査によって不良パネルの流出を防止することはもちろん、液晶の表示方式を不良が目立ちにくいものにする(輝点よりも黒点の方が気にならないため、故障時に黒点になるよう電圧が低いときに暗く、高いときに明るくなる表示方式を選択する)こと、製造工程中にされる検査の結果に基づいてドット落ちを製造途中で補正・修正するリペア工程を導入すること、セットメーカーや消費者の手に渡った後にドット落ちが増加することを防止するため一定度のエイジング処理(強制劣化処理)を施す、等がある。
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