ドイツとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 00:18 UTC 版)
1873年から1896年の不況の間に、ヨーロッパの国々の大半は劇的な物価下落を経験した。それでも、多くの会社は生産効率を改善させるようになり、高い労働生産性を確保した。結果として、工業生産高はイギリスで40%、ドイツで100%以上増加した。この2国の資本形成率を比較すると、異なる工業成長率が明らかになる。不況の間にイギリスの国民純生産に対する国民純資本の形成率は11.5%から6.0%に下降し、ドイツは10.6%から15.9%に上昇した。つまるところ、不況が進行する間にイギリスは静的な供給調整を行い、一方ドイツは実効需要を刺激し、資本形成を増加調整することで工業供給能力を拡大した。 例えば、ドイツは送電線、道路、鉄道の管理のような社会インフラに関する投資を劇的に増加させたのに対し、イギリスはこれを止めるか減らし、投資がドイツにおける工業需要に刺激を与えた。その結果、資本形成率の違いが2国の工業生産におけるレベルの違いとなり、不況期またその後の成長率の違いとなった。
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