トンネル・線路・保安設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 00:05 UTC 版)
「奉天市地下鉄道」の記事における「トンネル・線路・保安設備」の解説
トンネルについては、原則この当時標準であった路面開鑿によって工事を行うこととした。深度は地下水の水面高からなるべく浅くする方がよいとの結論になったが、下水管・水道管などの埋設物の多さから地下3メートルを基本とし、支障のない場合のみ2メートル、地下二階建て構造など特殊の場合は1.2メートルとする予定であった。構造は御堂筋線で採用された鉄筋コンクリート製箱形トンネルを基本とするが、地盤が固いところでは四つ橋線の一部で採用された鉄筋なしのコンクリート製アーチ形トンネルの採用も示唆された。 線路は南満洲鉄道と同じ50キログラムレールを用いるものの、交換が容易でないことから摩耗に強いやや上頭部が厚めのものを用いる予定であった。枕木への固定は取り替え作業の困難と騒音防止のため、犬釘ではなく、石綿を敷いた上でタイプレートを置き、ボルトで固定することとした。 道床は騒音を防止するためにスラブ軌道ではなくバラスト軌道とする。これにより必要となる枕木には、取り替え作業が困難であることから、腐りにくく材質のよい檜などを使用するほか、充分に防腐剤を染みこませた他の木も場合によっては用いるとした。 保安設備について特筆すべきは自動列車停止装置ことATSが導入予定であったことである。当時日本の地下鉄では既に打子式ATSと呼ばれるATSが実用化されており、実際に計画を立てた大阪市電気局(のちの大阪市交通局)でも市営地下鉄御堂筋線で使用していた。当時はまだ他の方式のATSは存在しなかったので、これを導入する予定であったと考えられている。
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