トレース体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/23 09:28 UTC 版)
「数論的双曲3次元多様体」の記事における「トレース体」の解説
クライン群(英語版) Γ のトレース体 (trace field) は、 SL(2, C) におけるその元の代表元のトレースにより生成される体であり、それを tr Γ と書く。有限な余体積(英語版)のクライン群のトレース体は、代数体つまり有理数体の有限拡大であって、総実ではない。 クライン群 Γ(2) の不変トレース体 (invariant trace field) は、Γ の元の平方により生成されるクライン群 Γ(2) のトレース体である。 クライン群 Γの四元数代数 (quaternion algebra) は、トレース体と Γ の元により生成された M(2, C) の部分環であり、Γ が基本的 (elementary) でなければトレース体上の4次元単純代数である。Γ の不変四元数代数 (invariant quaternion algebra) は、Γ(2) の四元数代数である。四元数代数は分解するかもしれない。言い換えると、行列代数となるかも知れない。このことは、Γ が非基本的で双曲元を持っているとき、特に非コンパクト有限余体積3次元多様体のクライン群であるとき、必ず起きる。 不変トレース体と不変四元数代数とは、 SL(2, C) の部分群として、群の広義通約類(英語版)(wide commensurability class)にのみ依存している。このことはトレース体の場合には成り立たないことが知られている。実際、不変トレース体は、Γ の有限指数部分群のトレース体の中で最小の体である。 数体が数論的双曲3-多様体の不変トレース体であることと、複素埋め込みのただひとつの共役ペアをもつこととは同値である。
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