トウシューズの製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 15:17 UTC 版)
伝統的なトウシューズは、職人が手作業で製造する。製法はメーカーによって異なるが、その一例を簡単に述べる。 まず、シューズの甲皮(足全体を覆う布)を作るため、表地になるサテンと、裏地になる帆布を裁断して縫い合わせる。次に、足の形をした靴型を用意し、底の部分にソールを置いて鋲で固定する。さらに、靴型に甲皮を被せ(この時、裏地が外側になるように被せる)、爪先の部分に接着剤で麻布や紙を何重にも貼り付ける。接着剤が乾いたら、ソールと甲皮を縫い合わせてシューズを裏返し(この時、サテンの表地が外側になる)、シューズの内側にシャンクと中底を入れる。最後にシューズ全体の形を整えて乾燥させ、品質検査を終えたら完成である。このような伝統的な製造工程のうち、裁断や縫製などは自動化されていることもあるが、多くの工程は現在でも手作業で行われている。ただし、大量生産のために製法を変えているメーカーもある。また、近年ではエラストマーなどの合成素材を使用したトウシューズも作られている。 トウシューズのメーカーは世界各国にあり、例えば、ロシアのグリシコ(英語版)、イギリスのフリード・オブ・ロンドン(英語版)、フランスのレペット(英語版)、アメリカのカぺジオ(英語版)、オーストラリアのブロック(英語版)などがある。日本のトウシューズメーカーとしては、チャコット、アビニヨン、シルビア、綜芸、ボンジュバレリーナが挙げられる。
※この「トウシューズの製造」の解説は、「トウシューズ」の解説の一部です。
「トウシューズの製造」を含む「トウシューズ」の記事については、「トウシューズ」の概要を参照ください。
- トウシューズの製造のページへのリンク