トウシューズとジェンダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 15:17 UTC 版)
「トウシューズ」の記事における「トウシューズとジェンダー」の解説
トウシューズが生まれた19世紀のヨーロッパにおいて、爪先立ちは男性のジェンダーにふさわしくないもの、つまり男らしくないものとみなされたため、ポワント技法は女性だけの技術として広まった。20世紀に作られたバレエの中には、男性がトウシューズを履いて演じる役柄もあるが、それらは主に喜劇的な効果を狙ったものである。例えば、フレデリック・アシュトン振付『夏の夜の夢』のボトム役、ルドルフ・ヌレエフ振付『シンデレラ』の継母役、アレクセイ・ラトマンスキー振付『明るい小川』のバレエダンサー役などは、男性がポワントで踊る珍しい役柄である。また、1974年に設立されたトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団では、男性ダンサーがチュチュとトウシューズを身に着けて女装し、伝統的なバレエ作品のパロディをコミカルに演じる。 しかし近年では、コメディや女装といった枠を超えて男性がトウシューズを用いる事例も出てきている。例えば、2020年にカリフォルニアで設立されたバレエ団であるバレエ22では、ジェンダーに捉われずにトウシューズを履いて踊るという取組を行っている。また2019年には、ロシアのシューズメーカーが、男性専用に設計された初のトウシューズを発売している。
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