ディズレーリとグラッドストン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 00:33 UTC 版)
「ベンジャミン・ディズレーリ」の記事における「ディズレーリとグラッドストン」の解説
グラッドストンの戯画 ディズレーリの戯画 グラッドストンとディズレーリはあらゆる面で対称の存在であり、終生のライバルであった。ディズレーリの現実主義者の立場は、グラッドストンの杓子定規なキリスト教主義的倫理感とは決定的に相いれないものだった。 二人の違いについて、アンドレ・モロワは「グラッドストンにとってディズレーリは、宗教と政治信念を持たない不信者だった。ディズレーリにとってグラッドストンは上辺だけ飾って辣腕を隠す偽信者だった」、「ディズレーリはグラッドストンが聖人ではないと信じていたが、グラッドストンはディズレーリが悪魔だと疑っていた」、「二人ともダンテの『神曲』を好んだが、ディズレーリは地獄篇を愛し、グラッドストンは天国篇を愛した。」、「ディズレーリはモリエールやヴォルテールから学んだが、グラッドストンはモリエールのタルチュフを三流の喜劇だと思っていた」、「グラッドストンは大金持ちなのに毎日几帳面に出納帳を付けていた。ディズレーリは借金まみれなのに勘定もせずに金を使った」、「ディズレーリの敵は彼を正直な人間ではないと言った。グラッドストンの敵は彼を最も悪い意味における紳士ぶった奴だと言った。」、「グラッドストンはディズレーリがわざと表明するシニックな信仰告白を全て真に受けていた。ディズレーリはグラッドストンが発する自らも本気で欺かれている言葉を偽善だと思っていた。」、「軽薄で通っているディズレーリが社交界では無口で、真面目で通っているグラッドストンが社交界では魅力的なおしゃべりをした」等の例えを使って表現した。 ディズレーリと同じ4回目の落選をした時からアンドレ・モロワのディズレーリの伝記の愛読者という日本の政治家田中秀征は、「ディズレーリに対するグラッドストン、彼は全てを持っていた。大金持ちで23歳で国会議員になっていた。ディズレーリは60すぎてやっとグラッドストンに追いつく。僕には分かる。ディズレーリが屈折した人生の果てに得た物を」と語っている。
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