チャネルの極性による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 07:07 UTC 版)
「MOSFET」の記事における「チャネルの極性による分類」の解説
MOSFETの場合、基本的にソース・ドレイン端子に金属(アルミなどの配線層)を接合する。その際に接触抵抗を下げる目的で、比較的高濃度の不純物を打ち込む。打ち込む不純物が n 型(p 型シリコン基板に対しては、III価の物質(B:ホウ素など))の場合、その部分は n+ 型(n ウェル)、不純物が p 型(n 型シリコン基板に対しては、V価の物質(P:リンなど))の場合は p+ 型(p ウェル)と呼ばれる。 不純物を打ち込まなくても接触抵抗が十分に低い場合は不純物を打ち込む必要がなく、結果 p、n どちらにも属さない。これはアンバイポーラ・トランジスタと呼ばれる。この素子は、ゲートにマイナスの電圧(対ソース)を加えてもプラスの電圧を加えても、しきい値以上であれば電流を流す。 1980年代中頃までのメモリICやロジックICには、当時の集積技術の問題から p、n 両方を堆積する事が難しかったために、抵抗などでCMOSの片側を代用したp-MOS・n-MOSが用いられた。出現当初は製造しやすかったp-MOSが主力だったが、後に移動度の大きい電子をキャリアとするn-MOSが主力となった。 1980年代初めに標準ロジックICがCMOS構造で作られた。1990年代には電気的特性がアナログでの実用レベルに到達したのと、システムLSI等で論理回路とアナログ回路が混在して集積されるようになった関係でアナログ回路もCMOSで製作されるようになった。
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