チェリー・ポイント海兵隊航空基地とは? わかりやすく解説

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チェリー・ポイント海兵隊航空基地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/08 14:25 UTC 版)

チェリー・ポイント海兵隊航空基地
Marine Corps Air Station Cherry Point
IATA: ? - ICAO: KNKT
概要
国・地域 アメリカ合衆国
所在地 ノースカロライナ州ハブロック
種類 軍用
運営者 アメリカ海兵隊
標高 8.8 m (29 ft)
座標 北緯34度54分03秒 西経076度52分51秒 / 北緯34.90083度 西経76.88083度 / 34.90083; -76.88083
公式サイト 公式サイト
地図
KNKT
KNKT
チェリー・ポイント海兵隊航空基地の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
14L/32R 2,736×61 アスファルト
05L/23R 2,587×60 アスファルト
14R/32L 2,559×61 アスファルト
05L/23R 2,496×61 アスファルト
出典:FAA[1]
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チェリー・ポイント海兵隊航空基地(チェリー・ポイントかいへいたいこうくうきち、英語: Marine Corps Air Station Cherry Point)は、アメリカ東部のノースカロライナ州ハブロックに位置する、アメリカ海兵隊の基地である。1941年建設、1942年に飛行場に指定され、現在は第2海兵航空団が駐屯している。

歴史

チェリー・ポイント海兵隊航空基地は、1941年7月9日に議会によって承認されるとともに、当初の歳出予算として14,990,000ドルが認められ、8,000エーカー(約32平方キロメートル)の湿地帯、農地および森林地の整地が開始された。

実際の整地工事は、1941年8月6日に開始され、徹底的な排水工事などのマラリア対策が実施された。施設の建設が開始されたのは、真珠湾攻撃のわずか17日前の11月のことであった。

1942年5月20日、その施設は、カニンガム演習場(Cunningham Field)と命名された。その名称は、海兵隊の最初のパイロットであるアルフレッド・A・カニンガム中佐にちなんだものであった。完成した施設は、後にチェリー・ポイント海兵隊航空基地へと名称が変更された。それは、桜の木に囲まれた地方郵便局にちなんで命名されたものであった。

第2次世界大戦中のチェリー・ポイントの主要な役割は、太平洋戦域で任務を遂行する部隊および海兵隊員に対する訓練を行うことであった。この航空基地は、1943年にノースカロライナ沖でドイツ軍のUボートに対する攻撃を担任した陸軍航空軍(対潜コマンド第22対潜飛行隊)および海軍飛行隊により、対潜作戦のための基地としても使用された。

また、朝鮮戦争中は、熟練のパイロット、搭乗員、整備員および支援要員を前方に展開する航空部隊に供給する役割を担った。

ベトナム戦争中は、A-6 イントルーダーを装備する3個飛行隊を飛行隊を極東戦域に展開させるとともに、航空搭乗員および航空下士官兵の継続的な供給源としても機能した。

砂漠の嵐作戦においては、AV-8B ハリアーを装備する3個飛行隊、A-6E イントルーダーを装備する2個飛行隊、KC-130 ハーキュリーズを装備する1個飛行隊、EA-6B プラウラーを装備する1個飛行隊および第14海兵航空群、ならびに第32海兵航空群および第2海兵航空団の司令部分遣隊を支援して、南西アジアにおける勝利に貢献した。

2001年10月7日に開始された不朽の自由作戦においては、チェリー・ポイントの海兵隊および海軍兵士たちがアフガニスタンおよびその周辺地域における攻撃任務および戦後処理に参加した。

2007年7月8日、本部庁舎(建物番号:198)が火災により全焼した[2]。新庁舎は、2009年7月29日に起工式が行われ、2011年に完成する予定である。

この航空基地および関連支援施設が占める総面積は、29,000エーカー(約117平方キロメートル)以上に及んでいる。また、その滑走路および関連設備は、フロリダ州ケープ・カナベラルから離陸したスペースシャトルのための代替着陸飛行場として必要な条件を満たしている[3][4]

2013年の第11回ボルド・クエスト共同展示に際しては、チェリー・ポイントにおいて、10か国およびすべてのアメリカ軍種に所属する戦闘員、技術チームおよび試験担当官たちに対する各種支援が実施された。その際、J6(JDAT、統合展開分析チーム)の統合参謀が、試験計画の作成および実行の統制を主導するとともに、7つの州にまたがる無数の訓練施設を連携させるために必要なインフラを整備した。チェリー・ポイントは、海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ジェイソン・ダンハム」(USS Jason Dunham, DDG-109)およびタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦サン・ジャシント」(USS San Jacinto, CG-56)などを支援する東海岸における軍事拠点としても重要な役割を果たした[5]

アメリカ空軍による使用

1957年7月1日、アメリカ空軍の第614航空管制警戒隊がフェーズⅠ移動レーダー局(M-116)をチェリー・ポイントに設置した。このレーダー局は、計画されていた44か所の移動レーダー局のうちの1つであった。空軍は、1基のAN/FPS-6英語版および2基のAN/FPS-8英語版レーダーを基地飛行運用局の近傍に配置した。90フィート(約27メートル)のタワーの頂上にレドームなしでこれらのレーダーを備えたレーダー局は、当初、地上要撃管制警戒局として使用された。地上要撃管制局としての管制警戒隊の任務は、要撃機をレーダー・スコープ上に捉えた彼我不明の侵入機に向けて誘導することであった。

航空基地に所在するレーダーに加えて、2つのギャップ・フィラー無人局(AN/FPS-14)としてM-116B(ノースカロライナ州エンゲルハルト、 北緯35度29分49秒 西経076度00分34秒 / 北緯35.49694度 西経76.00944度 / 35.49694; -76.00944 (M-116B))、およびM-116C(ノースカロライナ州ホーリー・リッジ、 北緯34度30分50秒 西経077度32分08秒 / 北緯34.51389度 西経77.53556度 / 34.51389; -77.53556 (M-116C/M-115C))が設置され、レーダーのカバー領域を拡大した。

AN/FPS-8のうちの1台は、1960年のハリケーン・ドナの被害を受けた。そのレーダーは1960年4月30日に海軍に管理換され、もう1台の被害を受けなかったAN/FPS-8レーダーは海兵隊により基地における航空管制用として長期にわたって使用されることとなった。

1961年には、M-116が半自動防空警戒管制組織(SAGE)に組み込まれ、当初の間は、バージニア州のフォート・リー空軍基地にデータを供給した。統合後の1963年3月1日に、管制警戒隊は、第614レーダー部隊へと改編された。レーダー部隊は、探知した航空機の距離、方向、高度および速度ならびに彼我の区分に関し、年中無休でSAGE指令センターに情報を提供した。

チェリー・ポイント海兵隊航空基地における空軍のレーダー運用は、予算の削減と対航空機用レーダー・サイトの閉所に伴い、1963年8月1日に終了した[6]

所在部隊

チェリー・ポイント海兵隊航空基地には、以下の部隊が所在している[7][8][9][10][11]

アメリカ海兵隊隷下
アメリカ海軍隷下

チェリー・ポイント海兵隊航空基地は、ノースカロライナ州ボーグ英語版ボーグ海兵隊予備着陸場英語版およびノースカロライナ州アトランティック英語版のアトランティック海兵隊場外着陸場に所在する付属施設の管理も行っている。なお、かつて場外着陸場として使われていた施設のうち、グリーンビル海兵隊場外着陸場およびキンストン海兵隊予備飛行場英語版ニューバーン海兵隊場外着陸場英語版などは現在、地方空港として使用されている。

脚注

注釈

出典

 この記事にはパブリックドメインである、アメリカ合衆国連邦政府のウェブサイトもしくは文書本文を含む。
  1. ^ FAA Airport Form 5010 for NKT (PDF) , 2025年5月17日閲覧
  2. ^ Francine Sawyer (2007年9月9日). “Headquarters building badly damaged in fire at Cherry Point Marine base” (英語). Sun Journal (ニューバーン). オリジナルの2011年8月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110807103244/http://www.newbernsj.com/news/fire-36406-building-point.html 2019年2月21日閲覧。 
  3. ^ MARINE CORPS AIR STATION (MCAS) CHERRY POINT SPACE SHUTTLE SUPPORT PLAN (SSSP)” (PDF) (英語). MCAS Cherry Point. Order. アメリカ海兵隊 (2007年3月29日). 2009年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月21日閲覧。
  4. ^ Steven D. Beard; Leslie A. Ringo; Brian Mader; Estela H. Buchmann; Thomas Tanita (2008) (英語) (PDF). Space Shuttle Landing and Rollout Training at the Vertical Motion Simulator. アメリカ航空宇宙学会. https://www.aviationsystemsdivision.arc.nasa.gov/publications/2008/AF2008096.pdf 2019年2月21日閲覧。. 
  5. ^ Sharon Anderson (2013). “Unprecedented in Complexity and Scope — Bold Quest 13-1” (英語). CHIPS (Department of Navy Chief Information Officer) (July-September). ISSN 1047-9988. https://www.doncio.navy.mil/CHIPS/ArticleDetails.aspx?ID=4755 2019年2月21日閲覧。. 
  6. ^ David F. Winkler (1997-06) (英語) (PDF). Searching The Skies: The Legacy of The United States Cold War defense Radar Program. シャンペーン: United States Army Construction Engineering Research Laboratories. https://fas.org/nuke/guide/usa/airdef/1997-06-01955.pdf 2019年2月21日閲覧。. 
  7. ^ 青木・2018年 P.42-P.48
  8. ^ 2d Marine Aircraft Wing Commands” (英語). アメリカ海兵隊. 2025年5月17日閲覧。
  9. ^ MACG28 Units” (英語). Marine Air Control Group 28. アメリカ海兵隊. 2020年6月17日閲覧。
  10. ^ Kaminski, Tom (2019). “Aircraft of the US Marine Corps” (英語). US Navy & Marine Corps Air Power Yearbook 2019 (Key Publishing): 93–99. 
  11. ^ About Us” (英語). Fleet Readiness Center East. アメリカ海軍. 2020年6月17日閲覧。

参考文献

  • M. L Shettle, Jr. (2001) (英語). United States Marine Corps air stations of World War II. ジョージア州Bowersville: Schaertel Publishing Co.. ISBN 978-0964338821 
  • 青木謙知 『世界の航空戦力 アメリカ海軍/海兵隊』 イカロス出版 2018年10月15日 ISBN 978-4-8022-0582-5
ウェブサイト

関連項目

外部リンク




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