ダイビングコンピューター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 23:51 UTC 版)
「ダイビング器材」の記事における「ダイビングコンピューター」の解説
詳細は「:en:Dive computer」を参照 に参照。 減圧症への罹患を回避するため、水深の履歴から減圧停止の必要性、手順などを計算しダイバーに指示する電子機器である。略してダイコンともいう。その時々の環境圧から、ダイバーの身体組織に溶解・排泄される窒素量を計算し、窒素量が飽和、すなわち水面まで浮上した際に体内で気泡を発生する限界量に接近した場合に減圧停止の指示を発生する。溶解窒素量の計算モデルとしては、ビュールマン (Bühlmann) モデル、ハルダーン (Haldane) モデル、RGBMモデル、DCIEMモデル等の、いくつかのモデルが知られている。現在では、レギュレーターに接続し、その時々の空気消費量を計算する機能等の付加機能を有する製品も多くなってきている。 ダイビングコンピューターが使用されるようになる以前は、潜水深度として潜水中の最大深度のみを用い、ダイブ・テーブルと呼ばれる早見表を利用して潜水可能時間を決定していた。しかしこの方法では、たとえ一瞬しか最大深度に滞在しない場合でも、ほとんどの時間その深度に滞在する場合と同じ潜水可能時間で浮上しなければならなくなる欠点があった。ダイビングコンピューターの登場によって、無駄な余裕度を確保する必要がなくなり、比較的長時間の潜水を安全に実施できるようになった。 しかし、ダイブコンピューターが示す無減圧時間や減圧スケジュールは、あくまで計算上のシミュレーションであり、ユーザーの体内の窒素の増減を計っているわけではないので、過信は禁物である。例えばダイブコンピューターが「ここではあと5分潜れる」と伝えたとしても、本当はそのダイバーの限界をすでに越えてしまっている可能性は常にあるということである。減圧症を避けるためには表示されるデータを基に常に控えめな潜水を心がけることに尽きる。体調管理はいうに及ばない。もちろん、頻繁に減圧停止指示が出てしまう潜水など、もっての外である。
※この「ダイビングコンピューター」の解説は、「ダイビング器材」の解説の一部です。
「ダイビングコンピューター」を含む「ダイビング器材」の記事については、「ダイビング器材」の概要を参照ください。
- ダイビングコンピューターのページへのリンク