ターリバーン、全土掌握へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:15 UTC 版)
「2021年ターリバーン攻勢」の記事における「ターリバーン、全土掌握へ」の解説
7月21日、アメリカ軍制服組トップであるマーク・ミリー統合参謀本部議長は、ターリバーンがアフガニスタン34州にある約420の郡のうちほぼ半数の212~213の郡を支配していることを明らかにし、急速な勢力拡大が改めて裏付けられた。ただし7月の時点では各州の州都については政府軍の反撃により制圧はできていなかった。8月7日、南西部ニームルーズ州の州都ザランジュ(英語版)はほぼ無抵抗で陥落し(ザランジュ陥落)、これが初のターリバーンによる州都制圧となった。同州副知事によれば、もはや中央政府からの支援はほぼ得られなかった。これを皮切りに、8月7日にはジョウズジャーン州の州都シェベルガーン、8月8日には北部要衝のクンドゥーズ州とサーレポル州、8月9日には北東部タハール州の州都タールカーンとサマンガーン州の州都、8月10日にはファラー州州都とバグラーン州の州都プリ・フムリー、バダフシャーン州の州都ファイザーバードと、旧政権時代でも掌握が難しかった北部も含めた地域の州都を短期間に次々に制圧していった。 窮地に陥ったガニー大統領は8月11日にターリバーンに包囲されている北部の最大都市マザーリシャリーフに空路で訪問し政府軍を激励。しかしガニーの訪問直後、近郊のクンドゥーズ州の州都クンドゥーズでは政府軍数百人が投降した。同日、アメリカの報道機関は米政府当局が首都カーブルの陥落時期を米軍撤退から6カ月後とした6月下旬時点での予想を前倒しし、90日以内に陥落する可能性があるとの予想に修正したと報じた。8月12日にはカーブルより150kmの距離にあるガズニー州の州都がターリバーンに制圧され、これにて10州都がターリバーンの手に落ちた。同日、ターリバーンはアフガニスタン第3の都市である西部ヘラート(ヘラート州州都)を制圧したと発表。投降した政府軍がターリバーンに加わったとも主張した。8月13日、第2の都市でターリバーンが根拠地と位置づけるカンダハール(カンダハール州州都)が制圧された(カンダハールの戦い)。同日中にはいったんは撃退されたバードギース州、また南部ヘルマンド州の州都ラシュカルガーも制圧し、合計14州都がターリバーンの手に落ちた。13日、国際連合事務総長のアントニオ・グテーレスはアフガニスタンが制御不能になっているとして、ターリバーンに対し攻撃を即時停止するよう求めた。
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