ソビエト連邦のミサイル艦
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「ミサイル艦」の記事における「ソビエト連邦のミサイル艦」の解説
ソビエト連邦(以下、ソ連)では、1950年代より実用化された大型ミサイル艇の上位艦種として小型ミサイル艦(ロシア語: Ма́лый раке́тный кора́бль, МРК)を制定した。下位艦種の大型ミサイル艇が多くても 4 基の中射程艦対艦ミサイル発射装置しか搭載しなかったのに対し、小型ミサイル艦は 6 ないし 8 基の発射装置を搭載した。船体も比較的大型で、各種装置も充実していた。この時期の代表的な艦種としては、 1234 「オーヴォト」設計小型ミサイル艦が挙げられる。 一方、砲熕兵装を主兵装とした従来型の艦隊水雷艇(駆逐艦)がミサイル艦化すると、1966年5月19日からそれらは大型ミサイル艦(Большо́й раке́тный кора́бль, БРК)へ類別を改められた。これもやはり中射程艦対艦ミサイルを装備する攻撃艦であった。任務は、艦隊に同行し、敵艦隊の護衛艦船をミサイルによって撃破することであった。その代表は、 56-M 設計とその近代化改修型 56-U 設計、発展型の 57-bis 設計が挙げられる。しかし、本来対潜専用艦であった大型対潜艦が艦対艦ミサイルを搭載する万能艦に発展すると、大型ミサイル艦はその存在意義を失い、大型対潜艦へ改修されるなどして類別も廃止された。 ソ連海軍が大型・小型ミサイル艦を重視した背景として、冷戦期、強力な航空母艦を多数保有していたアメリカ海軍に対抗する手段として、同様な空母機動艦隊を整備することが不可能であり、代替手段として、空母よりはるかに低いコストで、空母と拮抗しうる手段として、ミサイルの攻撃力に着目したということがあった。 56-M 設計大型ミサイル艦「ネウロヴィームイ(ロシア語版)」。 57-bis 設計大型ミサイル艦「グネーヴヌイ(ロシア語版)」。 12341 「オーヴォト-1」設計小型ミサイル艦「ミラーシュ(ロシア語版)」。
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