セルフ1によるセルフ2への妨害を阻止する
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/23 05:49 UTC 版)
「インナーゲーム」の記事における「セルフ1によるセルフ2への妨害を阻止する」の解説
セルフ1による妨害を阻止して、セルフ2のもつ力を最大限に引き出すことがインナーゲームにおける勝利であるとされる。意識が過去や未来、あるいは他の場所について考えているときは、つねにセルフ1が優勢となる。また動作や行動の善し悪しをいちいち判断しようとすることもセルフ1を優勢にしてしまうという。すなわち、結果のフィードバックは、いかにも動作や行動の改善に有効に思えるが、過去への判決であり、インナーゲームの最中においては、セルフ1を助長するものに他ならない。悪い動作や行動について悪態をついたり、叱ったりすることだけでなく、良い動作や行動についてそれを褒めることも、セルフ1を助長するという点では同じ、ということに留意するべきであるとしている。 ガルウェイによれば、セルフ1による妨害を防ぐためには、意識を「現在、この場所で起こっている事態」に集中することが重要であるとされる。これは、善し悪しの判断をせずに、「変化する知覚要素」に注意を注ぐことでもある。したがってインナーゲームにおいて勝利を収めることは、集中力を高めるということでもあるとされる。 例えば、テニスにおいては、「飛んでくるボールの縫い目を見る」ことが効果があるという。飛んでくるボールの縫い目を見ることは非常に難しいために、今、現在のボールの状態に集中することが必要となるが、このときセルフ1は沈黙する。ガルウェイは、この状態ではセルフ2の能力が阻害されない上、ボールの動きを高い精度で知覚できるために、意識しないうちに自動的にスイングが改善されていくのを体験できる、と説く。 また別な例では、スイングの時に「自分のラケットがどこにあるかを感じる」ことも同じく有効であるとして紹介している。正しい位置にあるかどうかをチェックするのではなく、ボールを打つ時にどこにラケットがあるかを淡々と把握することがセルフ1の沈黙とセルフ2の活性化に役立つという。 またセルフ2は言語よりも感覚的なイメージに反応しやすいことを利用して、自分が望むような場面の視覚イメージを描くことがセルフ2への指示として有効であるとしている。
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