セッキの分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 05:41 UTC 版)
1860年代から1870年代の間、恒星の分光学者の先駆者であるアンジェロ・セッキが、観測されたスペクトルを分類するために独自の分類を考案した。1866年までに、セッキは以下の表に示すIからIIIまでの3つの恒星のスペクトルの分類を開発した。 1890年代後半、セッキによるスペクトルの分類法はハーバード分類に取って代わられるようになった。 分類番号セッキの分類の説明Secchi class I 広く深い水素のスペクトル線を持つ、白や青色の恒星。ベガやアルタイルが該当し、現在の分類ではA型から早期F型星までに相当する。 Secchi class I(オリオン亜分類) Secchi class I のサブタイプであり、スペクトル線が広いものではなく細い恒星。リゲルやベラトリックスが該当し、現在の分類では早期B型星に相当する。 Secchi class II 水素のスペクトル線が弱いが、金属のスペクトル線が見られる黄色の恒星。太陽やアークトゥルス、カペラが該当し、現在の分類では晩期F型やG型、K型を含む。 Secchi class III 複雑なバンドスペクトルを持つ、橙色から赤色の恒星。ベテルギウスやアンタレスが該当し、現在の分類ではM型に相当する。 Secchi class IV 1868年にセッキは炭素星を発見し、これを独立した分類に置いた。強い炭素のバンドとスペクトル線を持つ赤い恒星が該当し、現在の分類ではC型とS型に相当する。 Secchi class V 1877年に、セッキは5番目の分類を追加した。カシオペヤ座γ星やこと座β星などの輝線星が該当し、現在の分類ではBeに相当する。1891年にエドワード・ピッカリングは、class V は現在の分類でのO型 (後にウォルフ・ライエ星も含む) と、惑星状星雲の中にある恒星に相当するものであると提唱した。 セッキによる分類に用いられているローマ数字は、ヤーキスの光度階級に用いられているローマ数字や中性子星の分類に提案されているものとは完全に無関係であるため、混同しないよう注意が必要である。
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