セサル・アスピリクエタとは? わかりやすく解説

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セサル・アスピリクエタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 03:08 UTC 版)

セサル・アスピリクエタ
チェルシーでのアスピリクエタ(2022年)
名前
本名 セサル・アスピリクエタ・タンコ
César Azpilicueta Tanco
愛称 デイヴ
ラテン文字 Cesar Azpilicueta
基本情報
国籍 スペイン
生年月日 (1989-08-28) 1989年8月28日(36歳)
出身地 パンプローナ
身長 178 cm
体重 76 kg
選手情報
ポジション DF
利き足 右足
ユース
1999-2006 オサスナ
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2006-2007 オサスナB 27 (1)
2007-2010 オサスナ 99 (0)
2010-2012 マルセイユ 47 (1)
2012-2023 チェルシー 349 (10)
2023-2025 アトレティコ・マドリード 39 (1)
代表歴2
2005  スペイン U-16 3 (0)
2006  スペイン U-17 10 (0)
2007-2008  スペイン U-19 18 (2)
2009  スペイン U-20 5 (0)
2008-2011  スペイン U-21 19 (1)
2012  スペイン U-23 6 (0)
2013-2022  スペイン 44 (1)
1. 国内リーグ戦に限る。2025年7月6日現在。
2. 2023年2月19日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

セサル・アスピリクエタ(César Azpilicueta, 1989年8月28日 - )は、スペインパンプローナ出身のプロサッカー選手。元スペイン代表。ポジションはディフェンダー

経歴

クラブ

キャリア初期

地元パンプローナのサッカークラブ、オサスナカンテラ出身。2006-07シーズンよりBチームに在籍。同シーズン中の2007年4月8日、レアル・マドリード戦でトップチームデビューを果たした。サイドハーフのポジションで途中出場を果たし、2006年のバロンドール受賞者であるCBのファビオ・カンナバーロに対し、果敢に1対1を挑むなど印象的なパフォーマンスをみせた。翌2007-08シーズンには右サイドバックのレギュラーに定着し、29試合に出場。翌2008-09シーズンにも38試合中36試合に出場した。若手の有望なサイドバックとして、国内外のクラブからも多くの注目を集めた。

マルセイユ

2010年6月21日、移籍金950万ユーロの4年契約でリーグ・アンオリンピック・マルセイユに移籍した[1]。マルセイユ加入後は右サイドバックのレギュラーとして活躍していたが、11月27日のモンプリエ戦で左膝前十字靭帯の断裂で全治約6か月と診断された[2]。2011年5月22日のヴァランシエンヌ戦で予定より早く怪我から復帰したものの、離脱中にスタッド・レンヌよりロッド・ファンニが加入しており、定位置を奪い返すには至らなかった。

チェルシー

2012年8月、イングランドチェルシーに移籍。2013-14シーズンには、ジョゼ・モウリーニョ監督によって左サイドバックにコンバートされると、安定したパフォーマンスを見せ、アシュリー・コールからレギュラーを奪取。同シーズンのEFLカップアーセナル戦でチェルシーでの公式戦初得点を記録した[3]

2016-17シーズンは、新監督のアントニオ・コンテによって主に3バックの右CBとして起用されリーグ優勝に貢献し、スカイスポーツ選出の2016-17シーズン、プレミアリーグファンタジーイレブンにも選出された[4]

2019年10月23日、UEFAチャンピオンズリーグアヤックス戦でチェルシーでの公式戦350試合出場を達成[5]。2020年1月21日のビッグロンドン・ダービーでは同ダービーでの初ゴールを挙げて引き分けに貢献した[6]

トゥヘル監督の就任後も信頼をつかみ、キャプテンに任命された。トゥヘル監督が採用した3バック(リュディガーチアゴ・シウヴァ、アスピリクエタ)は安定感が高かった。

2020-21シーズン、1月、チェルシーの選手としては13人目となる通算400試合出場を達成した[7]。同シーズンUEFAチャンピオンズリーグ決勝のマンチェスター・シティ戦にキャプテンとして出場し、決定的なクロスを防ぐなど[8]、優勝に貢献した[9]

2022年のFIFAクラブワールドカップ決勝、パルメイラスとの対戦では延長後半に自ら蹴ったボールが相手選手の手に当たりPKを得たが、キッカーを務めることになっていたカイ・ハフェルツに相手選手たちがプレッシャーをかけに来ることを防ぐため、あたかも自分がPKを蹴ることが決まっているかの様に振る舞い、自分にプレッシャーをかけさせることで、PK成功を助けた[10]。結果2−1で勝利し、クラブの初の世界一に貢献した。

2022-23シーズン、2023年1月1日に行われたノッティンガム・フォレスト戦で先発出場し、ペトル・チェフが保持していたチェルシーでの外国籍選手最多出場記録を塗り替えた[11]。リーグ21節のリヴァプール戦でチェルシーでの公式戦通算500試合出場を達成[12]。2月18日、リーグ第24節のサウサンプトン戦で、浮いたボールをヘディングでクリアしようとしたところ、バイシクルシュートを試みたセク・マラの足が顔面を直撃。そのまま倒れ込み、ピッチ上で治療を受けた後、病院へ救急搬送された[13]。 

アトレティコ・マドリード

2023年7月6日、13年ぶりの母国復帰となるアトレティコ・マドリードへの完全移籍が発表された。契約期間は1年。2024年6月まで残っていたチェルシーとの契約は解除され退団したため、移籍金は発生していない[14][15]

2025年6月30日、2024-25シーズンの契約満了を以ってアトレティコ・マドリードを退団した[16][17]

代表

2007年にはスペインU-19代表、2008年にはスペインU-21代表に選出された。2010FIFAワールドカップスペイン代表候補30人に選出されたが、本大会に出場する23人からは外れた[18]

2014FIFAワールドカップでは本大会出場メンバーに選出され、グループリーグのオランダ戦とチリ戦に出場したが[19]、決勝トーナメントには進出できなかった。2018FIFAワールドカップでもスペイン代表メンバーに選出されたが[20]、出場機会は訪れなかった。

2021年5月24日、UEFA EURO 2020を戦うスペイン代表24人に選ばれた[21]。グループステージ第3戦のスロバキア戦で先発出場、大会初出場を果たすと、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦では代表初ゴールを挙げ、準々決勝進出に貢献した[22]

2022年11月11日、W杯カタール大会に臨むメンバーに選ばれた[23]。グループリーグ第3戦の日本戦でクロスからモラタの得点をアシストした[24]

人物

アスピリクエタはその努力や献身性によって多大なる信頼を得ており、ジョゼ・モウリーニョは「アスピリクエタが11人いればCLを制覇できる」と述べた[25]。また、チームメイトであるギャリー・ケイヒルはアスピリクエタについて「彼ほど熱心に練習に取り組む選手はいない」と語り、その姿から「ねずみ」というあだ名をつけた。このニックネームについて、アスピリクエタは「とてもうれしい。チームメイトから一生懸命なやつだと思われているということだからね」と答えた。また、努力を怠らない理由については「努力以外の上達する方法を知らないから」だと語っている[26]

チェルシーのサポーターからはDaveの愛称で親しまれている。これは、アスピリクエタという長く発音も難しい姓は英国の人々にとって馴染みがないため、その代わりとしてファンに与えられたものである[27]。自身と同じリーグ・アンから同期でチェルシーに加入し7シーズン共にプレーしたエデン・アザールと仲が良く、アザールのレアル・マドリード移籍時にはその別れを惜しんだ[28]

2014年4月2日、チャンピオンズリーグ準々決勝パリ・サンジェルマン戦の前日会見に出席し、同席した監督のモウリーニョから娘が誕生したことを公表された。名前はマルティナ[29]

個人成績

クラブ

国内大会個人成績
年度 クラブ 背番号 リーグ リーグ戦 リーグ杯 オープン杯 期間通算
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
スペイン リーグ戦 国王杯 オープン杯 期間通算
2006-07 オサスナ 40 ラ・リーガ 1 0 1 0 - 2 0
2007-08 29 0 0 0 - 29 0
2008-09 2 36 0 2 0 - 38 0
2009-10 33 0 5 0 - 38 0
フランス リーグ戦 F・リーグ杯 フランス杯 期間通算
2010-11 マルセイユ 2 リーグ・アン 15 0 1 1 0 0 16 1
2011-12 30 1 3 0 3 0 36 1
2012-13 2 0 - - 2 0
イングランド リーグ戦 FLカップ FAカップ 期間通算
2012-13 チェルシー 28 プレミアリーグ 27 0 5 0 5 0 37 0
2013-14 29 0 3 1 2 0 34 1
2014-15 29 0 5 0 2 0 36 0
2015-16 37 2 0 0 3 0 40 2
2016-17 38 1 3 1 6 0 47 2
2017-18 37 2 2 0 4 0 43 2
2018-19 38 1 6 0 3 0 47 1
2019-20 36 2 0 0 5 0 41 2
2020-21 26 1 2 0 4 0 32 1
2021-22 27 1 4 0 4 1 35 2
2022-23 25 0 1 0 1 0 27 0
スペイン リーグ戦 国王杯 オープン杯 期間通算
2023-24 A・マドリード 3 ラ・リーガ 25 0 2 0 - 27 0
2024-25 14 1 4 0 - 18 1
通算 スペイン ラ・リーガ 138 1 14 0 - 152 1
フランス リーグ・アン 47 1 4 1 3 0 54 2
イングランド プレミアリーグ 349 10 31 2 39 1 419 13
総通算 534 12 49 3 42 1 625 16

代表


スペイン代表 国際Aマッチ
出場 得点
2013 4 0
2014 6 0
2015 2 0
2016 6 0
2017 2 0
2018 5 0
2019 0 0
2020 0 0
2021 11 1
2022 8 0
通算 44 1

得点

# 開催日 開催地 対戦国 スコア 結果 大会
1 2021年6月28日 コペンハーゲンパルケン・スタディオン  クロアチア 2-1 5-3 UEFA EURO 2020

タイトル

クラブ

オリンピック・マルセイユ
チェルシー

代表

U-19スペイン代表
U-21スペイン代表

個人

  • UEFAヨーロッパリーグ 優秀選手(2018-19)[30]
  • UEFAチャンピオンズリーグ 優秀選手(2020-21)[31]

脚注

  1. ^ Accord de principe pour le transfert de César Azpilicueta” (フランス語). オリンピック・マルセイユ (2010年6月21日). 2010年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月30日閲覧。
  2. ^ アスピリクエタ、じん帯断裂でシーズン絶望”. Goal.com (2010年11月28日). 2010年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月10日閲覧。
  3. ^ Alistair Magowan (2013年10月28日). “Arsenal 0-2 Chelsea” (英語). BBCスポーツ. 2025年8月10日閲覧。
  4. ^ Scott Francis (2017年4月27日). “Fantasy football of the season 2016-17” (英語). Sky Sports. 2017年4月27日閲覧。
  5. ^ ONE OF THE BEST" | CESAR AZPILICUETA MAKES 350TH CHELSEA APPEARANCE” (英語). チェルシーFC (2019年10月23日). 2019年10月24日閲覧。
  6. ^ Chelsea FC - Arsenal FC, 21.01.2020 - Premier League”. transfermarkt (2020年1月21日). 2025年8月30日閲覧。
  7. ^ 10 QUESTIONS WITH... CESAR AZPILICUETA” (英語). チェルシーFC (2021年1月7日). 2021年5月30日閲覧。
  8. ^ Jacob Steinberg (2021年5月29日). “Manchester City 0-1 Chelsea: player ratings from the Champions League final” (英語). The Guardian. 2025年8月10日閲覧。
  9. ^ ビッグイヤーを掲げたチェルシー主将アスピリクエタ「特別な日」決勝弾ハバーツには「彼は狂ったように…」”. ゲキサカ. 2021年5月30日閲覧。
  10. ^ 相手の妨害が全て無駄に…チェルシー優勝PK弾の直前、主将アスピリクエタが見せた“ファインプレー”. ゲキサカ (2022年2月13日). 2022年2月13日閲覧。
  11. ^ Nottingham Forest vs Chelsea Debrief: Azpilicueta breaks record in a game of two halves” (英語). チェルシーFC (2023年1月2日). 2025年8月30日閲覧。
  12. ^ アスピリクエタ、チェルシーで公式戦500試合出場を達成「永遠に誇り」”. SOCCERKING (2023年1月22日). 2023年2月23日閲覧。
  13. ^ チェルシー主将、頭部負傷で救急搬送…「意識があり会話もできる」”. SOCCERKING (2023年2月19日). 2025年8月10日閲覧。
  14. ^ アトレティコ、チェルシーからDFアスピリクエタを獲得! 13年ぶりのラ・リーガ復帰へ”. SOCCERKING (2023年7月7日). 2025年8月10日閲覧。
  15. ^ アスピリクエタ、契約1年残しチェルシー退団「すべてを出し切った気分だ」惜別の映像公開”. 日刊スポーツ (2023年7月6日). 2023年7月7日閲覧。
  16. ^ ¡Gracias, Azpilicueta!” (スペイン語). アトレティコ・マドリード (2025年6月30日). 2025年8月30日閲覧。
  17. ^ 「すべてにありがとう」 アトレティコが功労者3名の契約満了を発表…ヘイニウド、アスピリクエタ、ヴィツェルが退団へ”. SOCCERKING (2025年7月1日). 2025年8月30日閲覧。
  18. ^ スペイン代表、W杯に向けた23人を発表”. Goal.com (2010年5月20日). 2010年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月10日閲覧。
  19. ^ David Ornstein (2013年12月18日). “World Cup: Spain 0-2 Chile” (英語). BBCスポーツ. 2025年8月10日閲覧。
  20. ^ Tom Maston (2018年5月21日). “Spain World Cup squad news: Chelsea star Alvaro Morata misses out on Russia 2018” (英語). Goal.com. 2025年8月10日閲覧。
  21. ^ Oficial | Convocatoria de la Selección española para la EURO 2020” (スペイン語). スペインサッカー連盟 (2021年5月24日). 2021年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月24日閲覧。
  22. ^ クロアチアが意地の同点劇も…スペイン、OGで幕開けの激闘を延長戦2発で制し8強へ”. SOCCERKING (2021年6月30日). 2021年6月30日閲覧。
  23. ^ OFICIAL | Lista de convocados para la Copa Mundial de Fútbol de la FIFA Catar 2022” (スペイン語). スペインサッカー連盟 (2022年11月11日). 2022年11月11日閲覧。
  24. ^ 【W杯】スペインが前半12分に先制 右クロスにモラタが頭で合わせ流し込む”. 日刊スポーツ (2022年12月2日). 2022年12月6日閲覧。
  25. ^ Jose Mourinho: 11 Azpilicuetas would win the Champions League” (英語). Sportskeeda (2014年2月27日). 2025年8月10日閲覧。
  26. ^ アスピリクエタ「じっくりと検討する」”. チェルシーFC (2014年1月5日). 2014年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月10日閲覧。
  27. ^ Glenn Moore (2014年9月26日). “Azpilicueta shows the right attitude to delight Mourinho” (英語). The Independent. 2025年8月10日閲覧。
  28. ^ 同期入団の親友アザールへ…“鉄人”アスピリクエタ「上手くいきますように。寂しくなるよ」”. Goal.com (2019年5月30日). 2025年8月10日閲覧。
  29. ^ 父親になった喜びを倍増させたいアスピリクエタ”. チェルシーFC (2014年4月2日). 2014年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月10日閲覧。
  30. ^ 長谷部誠がEL優秀選手に!フランクフルトからはチェルシーに次いで5名が選出”. Goal.com (2019年6月2日). 2020年6月16日閲覧。
  31. ^ CLベストメンバー23名が発表!…優勝のチェルシーから最多7名も決勝弾ハフェルツは選外”. SOCCERKING (2021年6月1日). 2021年11月25日閲覧。

関連項目

外部リンク




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