スペクトル、光度の変動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 15:02 UTC 版)
「がか座ベータ星」の記事における「スペクトル、光度の変動」の解説
Nearby Stars Projectの一環の観測で、がか座β星のスペクトル型はA6Vとされている。表面温度は8,052K(7,779℃、14,034℉)で、これは太陽の表面温度である5,778K(5,505℃、9941℉)よりもはるかに高温である。スペクトルの分析から、この恒星には、重元素と呼ばれる物質が、通常よりわずかに高い比率で含まれている事が分かった。天文学における金属量は[M/H]などと示す常用対数として表されて、がか座β星の場合は[M/H]=0.05である。これは太陽よりも12%高い事になる。 スペクトルの分析から、表面のCGS単位系(log g)における重力加速度を求める事が出来ている。その値はlog g=4.15で重力加速度は140m/s2で、これは太陽の274m/s2のほぼ半分である。 A型主系列星なので、太陽よりも明るい。19.44パーセクの距離で視等級が3.86で、年周視差が判明しているため、絶対等級が計算出来る。その絶対等級は2.42となる。ちなみに、太陽の絶対等級は4.83である。計算すると、太陽の9.2倍明るい事になる。これは視覚的な光度の影響も受けており、がか座β星のスペクトルや太陽からの放射線の影響を除けば、恒星本体の明るさは太陽の8.7倍になる。 ヘルツシュプルング・ラッセル図上におけるA型主系列星の大半は、不安定帯と呼ばれる領域にある。不安定帯にある恒星は変光星として脈動する事が多い。2003年にがか座β星を測光した結果、30分から40分の間に視等級が1-2ミリ等級ほど変動している事が明らかとなった。がか座β星の場合、脈動により、2つの異なる周期で周波数が変動する。1つは30.4日周期、他方は36.9秒周期で変動する。結果、がか座β星はたて座δ型変光星に分類された。
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