スコアリングシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 16:17 UTC 版)
他のアプローチでは、統計的な検定に基づいた保存性の測定が用いられ、予測されるバックグラウンドの(中立な)突然変異率とは異なる変異率を示す領域の同定が試みられている。 GERP (Genomic Evolutionary Rate Profiling) フレームワークは、種間の遺伝的配列の保存性を評価する。このアプローチでは、多重配列アラインメントからある生物種のセットにおける中立的な突然変異率を推定し、その予測値よりも変異が少ない配列領域を同定する。そして、これらの領域は予測されるバックグラウンドの突然変異率と観測された実際の突然変異率との差に基づいてスコアリングがなされる。高いGERPスコアは、高度に保存された配列であることを意味する。 PhyloP や PhyloHHM のようなアプローチでは、置換率の確率分布を比較する統計系統学 (statistical phylogenetics) 的な手法が組み込まれており、変異の保存と加速の両方を検出することができる。はじめに、系統樹に基づいて、多重配列アラインメント中のあるカラムで起こると予測される置換の数のバックグラウンドの確率分布が生成される。目的の種間の進化的関係は、任意の置換の有意性を計算するために用いられる。すなわち、きわめて近縁の種間の変異は遠縁の種間の変異よりも起こりにくく、それゆえより有意である。保存性を検出するため、多重配列アラインメントの一部に対して確率分布が計算され、尤度比検定またはスコア検定(英語版)のような手法を用いてバックグラウンド分布との比較が行われる。そして、2つの分布を比較して生成されたP値をもとに、保存領域が同定される。
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