ジャンル・モチーフ・親近性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 07:31 UTC 版)
「コルネリス・ノルベルトゥス・ヘイスブレヒツ」の記事における「ジャンル・モチーフ・親近性」の解説
ヘイスブレヒツはほとんどトロンプイユとヴァニタスしか描かなかった。この2つは17世紀後半に人気のあった絵画ジャンルである。 最も古い作品とされるのが1657年のヴァニタスであり、1662年まで彼は主にこのジャンルの作品を手がけている。ヘイスブレヒツのヴァニタスは、人生のはかなさを伝える伝統的なシンボルが重ね合わされていた。例えば藁をかぶった頭蓋骨であり、花瓶にいけられた花であり、わずかに点る蝋燭であり、人生の時を計り示すものとしての砂時計であった。 1662年以降、ヘイスブレヒツは純粋なヴァニタスを放棄してしまい、ヴァニタス的なモチーフをより複雑なトロンプイユを構成する細部に持ち込んだ。例えば、いわゆるアトリエの壁、レターラック(当時の掲示板)、狩猟道具や楽器をかけた壁、そして「切り抜き」(カット・アウト)であった。最後の手法は目を騙すことをさらに推し進めたもので、絵に描かれた木やリネンの生地がある形に切き抜かれていることで、鑑賞者はまるで三次元の物体の目の前に自分がいるかのように思い込まされてしまうのである。錯視を決定的なものにするために、ヘイスブレヒツは描くモチーフや対象を王族がふだん自然と目にするものに絞り、それを可能な限り実物に近いサイズで描いた。 様式的にみて、ヘイスブレヒツはオランダのヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘームの影響を受けている。またかつてはフランシスカス・ヘイスブレヒツの作品と混同されることもあった。
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