ジャベリン (地対空ミサイル)とは? わかりやすく解説

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ジャベリン (地対空ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 03:17 UTC 版)

ジャベリン
イギリス陸軍が用いているジャベリンの可搬式3連装発射機(LML, Lightweight Multiple Launcher)
種類 近距離防空ミサイル
製造国 イギリス
製造 タレス・グループ
性能諸元
ミサイル直径 0.076m
ミサイル全長 1.39m
ミサイル重量 24.3kg(システム全体)
弾頭 高性能炸薬(2.74kg)
信管 直撃および近接信管
射程 300-4,500m(対固定翼機
300-5,500m(対回転翼機
推進方式 固体ロケット・モーター
誘導方式 無線SACLOS
飛翔速度 M1+
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ジャベリン英語: Javelin)は、イギリスが開発した近距離防空ミサイルである。

“ジャベリン(Javelin)”とは、「投げて用いる(投擲する)槍」を意味する。

概要

ジャベリンは先代のブローパイプ携行地対空ミサイルの改良型であり、イギリス第2世代の携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)として、1979年より開発された。

第1世代のブローパイプは、オペレーターがジョイスティックによる手動操縦で目標まで誘導するという手動指令照準線一致誘導方式(MCLOS)を採用しており、高速で機動する攻撃機に対しては、十分な有効性を確保することができなかった。このことから、より自動化された無線半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)を採用するように改良したのがジャベリンである。また、弾頭もやや大型化されているが、ミサイルの空力設計などは多くがブローパイプと同様であり、ミサイルの翼が折畳式ではなく、発射筒収納時には弾体前半部に配置されていて発射時に結合される方式のために発射チューブの前半分が太くなっていることも同様である。

ジャベリンは、基本的には兵士が個人で携行し肩撃ち方式により発射される地対空ミサイルであるが、専用の小型ランチャーもあり、3連装とした専用の発射装置(LML, Lightweight Multiple Launcher)も用意されている。SACLOS方式の採用により、誘導にあたっては、フレアなどの誘導妨害には強いが、の影響を受けやすい。また、敵機の主な捜索方式は、目視およびテレビカメラによるものである。

イギリス陸軍では1984年より就役を開始し、アフガニスタン紛争でも少数がムジャーヒディーンに供与されて使用されたと言われている。しかし、無線SACLOS方式でも航空機の追尾が難しかったことから、レーザーSACLOS方式を採用したスターバースト・ミサイルに更新されて、1993年には退役した。

ミサイルの単体価格は7万8000ドル。

運用国

ジャベリンの運用国

脚注

出典

  1. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. pp. 346-347. ISBN 978-1-032-50895-5 
  2. ^ Topwar.ru|2020年8月29日|リンニック・セルゲイ(ボンゴ)|韓国のマンパッドとモバイル短距離防空システム ※2022年5月2日(UTC)閲覧

参照元

  • Jane's Land-Based Air Defence 2005-2006, ISBN 0-7106-2697-5
  • www.fas.org. “Javelin” (HTML) (英語). 2022年5月2日閲覧。

関連項目

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