レッドディーン_(ミサイル)とは? わかりやすく解説

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レッドディーン (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/05 07:53 UTC 版)

コスフォード王立空軍博物館英語版に展示されているレッドディーンの試作品

レッドディーン (Folland/Vickers Red Dean) は、イギリスが1950年代に開発を試みた空対空ミサイルである。

概要

レッドディーンは、パルス・ドップラー・レーダーを使用する大型のレーダー誘導型ミサイルで、敵爆撃機の撃墜を目的としていた。

レッドディーン計画は、1951年にレッドホークミサイル計画から派生したものであり、フォーランド・エアクラフト英語版社が重量700ポンドのミサイルを開発することとなった。その後、設計が進むに連れてサイズ・重量が共に増大し、予算の超過とシーカーヘッドの問題によってフォーランドは開発を続けることができなくなり、1953年にイギリス軍需省は計画をヴィッカース社に引き渡した。

ヴィッカースにおいても、レッドディーンは幸運とは言えなかった。アクティブ・レーダーシーカーの問題のためにミサイルのサイズ・重量が増加するという悪循環は解決できず、これはミサイルの飛行性能を大きく損なった。シーカーの性能が十分でないため、より大きな弾頭が必要となり、重量の増大を招いた。他方、レッドディーンを搭載する予定の超音速戦闘機は、軒並み重量の軽減のために軽量の合金で構成されており、重いミサイルを搭載するのに適していなかった。

大幅な設計の見直しと、アクティブ・ホーミング機能の削減が行われたにもかかわらず、薄翼型のグロスター ジャベリンの開発が1956年に中止されると、それにともなってレッドディーンの開発も中止された。超音速機に搭載するための制限は依然としてあり、次世代のマッハ2.5クラスの超音速戦闘機用(運用要求F.155)としてはさらなる改良が求められ、小型化したレッドハーブ (Red Hebe) ミサイルとして開発が予定されていたが、運用要求F.155計画とそれによって開発された超音速戦闘機の開発中止により、これも計画中止となった。

要目

  • 全長:4.9 m
  • 重量:603 kg
  • 弾頭:45 kg高性能火薬
  • 速度:マッハ 2.2
  • 最高高度:15,000 m
  • 射程:6.4 km

参考文献

  • The 'Secret' World of Vickers Guided Weapons, J. Forbat, Tempus, 2006, ISBN 0-7524-3769-0
  • British Secret Projects: Hypersonics, Ramjets and Missiles, Gibson C, Buttler T. Midland, 2007. ISBN 978-1-85-780258-0

関連項目


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