ショーランナーの定義と歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 02:29 UTC 版)
「ショーランナー」の記事における「ショーランナーの定義と歴史」の解説
ショーランナーとは、文字通り「番組(show)を管理・運営する(run)」者、つまり、製作現場のボスであり、その地位は監督よりも高い。 1950年代から1960年代にかけては、テレビ番組の企画・製作・運営の全てを製作スタジオが行っていた。脚本家はおおむね契約ライターであり、全体像の創作に参加することはあまりなかった。新番組の売り込みを行うのも経験豊富なスタジオ幹部であり、そういった幹部がチーフプロデューサーとして製作指揮を執るのが通例だった。 1970年代後半、『The Mary Tyler Moore Show』などで「脚本家に自由に書かせる」という試みが行われたことにより、従来のパターンが破られる。ちょうどその頃より、視聴者も「より深みのあるキャラクターとプロット」を求めるようになって来た。そこで、1980年代の人気ドラマ『ヒルストリート・ブルース』などでは、番組全体の流れを重視し、スタッフ・ライターを抱えるようになった。そして、脚本家の重要性が増すとともに、次第に製作の仕事も任されるようになり、やがては新番組を企画してそのままプロデューサーとして指揮を任されるという脚本家たち(writer-executive producer)が現れた。 しかし、「プロデューサー」名義のスタッフ増加に伴い、「実際に番組を仕切り、現場での最終決定権を持つ責任者」を指す用語が必要になり、1980年代後半頃に「ショーランナー」という表現が生まれた。 『バラエティ』誌が「ショーランナー」という用語を初めて使用したのは1992年のことである。 1995年、『ニューヨーク・タイムズ』紙がジョン・ウェルズ(『ER緊急救命室』の当時のショーランナー)に関する記事で、彼の責任は「番組の脚本、調子、姿勢、外観、演出に関する全ての重要事項を決定すること」であると説明した。 その後、インターネットの普及とともに、番組クリエイターたちに関するオンライン・コミュニティが次々と誕生し、まるで彼らが番組そのものであるかのように崇拝されるようになった。これらのコミュニティには、ショーランナー自身が登場することもあり、2011年にはそういった「インタラクティヴ・ショーランナー」(interactive showrunner)に関するコラム記事が『New York』誌に掲載されるなど、メディアの注目も高まって来ている。
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