サンタンドッシュ聖堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/20 03:31 UTC 版)
サンタンドッシュ聖堂 (Basilique Saint-Andoche) はソーリューの広場に面した場所に建つカトリック教会の聖堂。ロマネスク建築として分類され、柱頭彫刻が知られる。サンタンドーシュ聖堂とも表記される。2世紀に殉教した3人の聖人の最後の地を起源としている。3人の聖人とは聖堂の名前にもなっている聖アンドッシュ (Andoche) と、あとは聖イルス (Thyrse)、聖フェリックス (Félix) の2人である。もととなった修道院は8世紀の設立という。11世紀に修道院付属教会堂として建設されたものが、現在の位置に移築されている。1359年に内陣がイギリス軍に放火され、これが修復されるには1704年まで待たねばならなかった。フランス革命でも被害を受け、特にファサードがひどく破壊され、しかも19世紀のまずい修復により残念な姿となってしまっている。歴史的記念建造物には1840年に指定された。 聖堂内部の柱頭はオータン大聖堂(英語版)(サン・ラザール大聖堂)のそれとの関連が指摘される。歴史節で先述したようにオータンの影響下にあったことから、オータンの影響をソーリューが受けた、という流れと考えられる。写実性という点ではソーリューに、優雅さではオータンが軍配が上がるといった評価がなされる。 以下にいくつかの柱頭彫刻を紹介する。 「キリストを誘惑する悪魔」。明らかに人ならざる顔をもつ。これはクリュニー会の修道士が見たとされる悪魔を、尊者ピエールが記録したものを図像化したと考えられている。 「エジプトへの逃避」(1135年 - 1145年ごろ)。オータン大聖堂にも同じ主題のものがあり、ソーリューがオータンに触発されての制作と考えられるが、こちらの方が立体感という点では上である。 (参考)オータン大聖堂の「エジプトへの逃避」。ソーリューのものより10年ほど前の制作。 「フクロウ」はエジプト神話において鷲との対で表される図像であり、中世ユダヤ教会の紋章でもある。どういった意図でキリスト教の聖堂に刻まれたのかは明らかになっていない。
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