コーポレート・ネーミング、命名権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 17:55 UTC 版)
「スタジアム」の記事における「コーポレート・ネーミング、命名権」の解説
クラブのオーナーにあやかってスタジアムに名付けることがあった。例えばクロスリー・フィールドやリグレー・フィールド、ブッシュ・スタジアムである。その名前がオーナーの経営する企業の名前と一致することもあった。しかし、企業名を名乗る新しい潮流が生まれてきた。 ここ何十年かの間に、アメリカ合衆国におけるスポーツスタジアムの所有者は、企業をスポンサーにしてスタジアムの名前を売ることがコスト削減に有利であると知った。1970年代に始まったこの動きは1990年代に大いに加速し、新旧問わずスタジアム名に企業名が冠としてつくことになった。うまくいったかどうかは別にして、場合によっては古くからの名前を廃止して企業名を名乗るスタジアムも出てきた。例えばサンディエゴのクアルコム・スタジアムである。これはジャック・マーフィー・スタジアムとして親しまれてきた。企業をスポンサーとして迎える動きは、既に全世界に広ており、ミルウォーキーのミラー・パークなど、新設のスタジアムでは、最初から企業名がついているものが多い。若干の自治体立のスタジアムは、ご当地の著名な事物や人物の名がつけられている。例えば、ミネアポリスのヒューバート・H・ハンフリー・メトロドームである。 コーポレート・ネーミングの結果、スタジアムの名前が頻繁に変更されることとなった。これは契約期間の終了や名付けもとの企業の変更に伴うものである。アメリカ合衆国での例では、フェニックスの チェイス・フィールドは以前Bank One Ballparkと呼ばれていたが、Bank Oneの買収に伴い名前が変わった。サンフランシスコの3Com Parkは、以前のキャンドルスティック・パークから一旦3Com Parkと名前が変わり、数年後には契約が切れ、その2年後にモンスター・パークという新しい名前がついた。逆に、ロサンゼルスのグレート・ウェスタン・フォーラムは現在では廃業しているが、その名の元になった銀行が消滅した後も何年もの間同じ名前を名乗っていた。恐らく最も面白いのはヒューストンのミニッツメイド・パークであろう。もとはエンロン・フィールドという名であったが、あっというまにその名前は駄目になった。スポンサー企業エンロンのスキャンダルのためである。その後アストロズ・フィールドを1年名乗った後、新しいスポンサー企業がついた。このような名前の変更はアメリカ合衆国などでは盛んであるが、スタジアムの命名権売買を良しとしない国も多い。それらの国の人々は企業の資本参入よりもスポーツの方が高貴なものであると考えているからである。命名権参照。
※この「コーポレート・ネーミング、命名権」の解説は、「スタジアム」の解説の一部です。
「コーポレート・ネーミング、命名権」を含む「スタジアム」の記事については、「スタジアム」の概要を参照ください。
- コーポレート・ネーミング、命名権のページへのリンク