コーシー・リーマンの方程式
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数学の複素解析の分野において、コーシー・リーマンの方程式(英: Cauchy–Riemann equations)は、2つの偏微分方程式からなる方程式系であり、連続性と微分可能性と合わせて、複素関数が複素微分可能すなわち正則であるための必要十分条件をなす。コーシー・リーマンの関係式とも呼ばれる。オーギュスタン=ルイ・コーシーおよびベルンハルト・リーマンの両者にちなんで名付けられた。この方程式系に最初に言及したのはジャン・ル・ロン・ダランベールの著作である[1]。後に、レオンハルト・オイラーはこの方程式系を解析関数と結びつけた[2]。コーシーはさらにコーシー・リーマンの方程式を彼の関数論を構築するために用いた[3]。関数論に関するリーマンの論文は1851年に発表された[4][5]。
- ^ d'Alembert 1752.
- ^ Euler 1797.
- ^ Cauchy 1814.
- ^ Riemann 1851.
- ^ 高瀬 2019.
- ^ a b Tokyo Institute of Technology (2006). 第4章 正則関数
- 1 コーシー・リーマンの方程式とは
- 2 コーシー・リーマンの方程式の概要
- 3 具体例
- 4 解釈および再定式化
- 5 関連項目
コーシー・リーマンの方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 05:12 UTC 版)
「正則関数」の記事における「コーシー・リーマンの方程式」の解説
詳細は「コーシー・リーマンの方程式」を参照 z = x + iy とし、ガウス平面 C を実平面 R2 と同一視すると、複素関数 f は 2 つの実 2 変数関数 u(x,y), v(x,y) を用いて f(x,y) = u(x,y) + iv(x,y) と表すことができる。f(z) = f(x, y) が正則関数であれば、u, v はコーシー・リーマンの方程式と呼ばれる偏微分方程式 { ∂ u ∂ x = ∂ v ∂ y , ∂ u ∂ y = − ∂ v ∂ x {\displaystyle {\begin{cases}\displaystyle {\frac {\partial u}{\partial x}}={\frac {\partial v}{\partial y}},\\\displaystyle {\frac {\partial u}{\partial y}}=-{\frac {\partial v}{\partial x}}\end{cases}}} を満たす。 ここから正則関数 f(x,y) の実部 u(x,y), 虚部 v(x,y) は実 2 変数の調和関数であることがわかる。 コーシー・リーマンの方程式は f(x,y) が正則となるための必要条件であるが、さらに u(x,y), v(x,y) が、2 変数の関数として全微分可能であるならば、f(x,y) は正則となる。 また、ウィルティンガーの微分を用いれば、コーシー・リーマンの方程式は、ディーバー方程式 ∂ ∂ z ¯ f ( z ) := 1 2 ( ∂ f ∂ x + i ∂ f ∂ y ) = 0 {\displaystyle {\frac {\partial }{\partial {\bar {z}}}}f(z):={\frac {1}{2}}\left({\frac {\partial f}{\partial x}}+i{\frac {\partial f}{\partial y}}\right)=0} に変換される。 ディーバー方程式を用いれば、たとえば、多項式に z しか現れないとき、コーシー・リーマンの方程式が成り立つのは一目瞭然であるし、 | z | = z z ¯ {\displaystyle |z|={\sqrt {z{\bar {z}}}}} のように z を含むものを、z で微分して 0 にならないのであれば、コーシー・リーマンの方程式は満たされないのである。 |z| の場合は、z 微分して 0 にならないこともすぐ分かり、正則ではない。
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コーシー・リーマンの方程式
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「調和微分形式」の記事における「コーシー・リーマンの方程式」の解説
上で見たように、ω と ω* がともに閉形式のときに、1-形式 ω を 調和的 という。このことは ∂A/∂y = ∂B/∂x (ω が閉形式のとき) でかつ ∂B/∂y = −∂A/∂x (ω* が閉形式のとき) であることを意味する。これらは、A − iB のコーシー・リーマンの方程式という。普通、これらは、u(x, y) + iv(x, y) の項で表すと、 ∂ u ∂ x = ∂ v ∂ y ∂ v ∂ x = − ∂ u ∂ y {\displaystyle {\frac {\partial u}{\partial x}}={\frac {\partial v}{\partial y}}\ \ \ \ {\frac {\partial v}{\partial x}}=-{\frac {\partial u}{\partial y}}} となる。
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