コーシー列を用いた構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 06:03 UTC 版)
詳細は「コーシー列#実数の構成」を参照 実数の構成は有理数の空間 Q の完備化とよばれる手続きによる方法が一般的である。有理数の空間には二つの数の差の絶対値として定義される距離 d(a, b) = |a − b| から定まる点の近さを考えることができる。これについてのコーシー列たちを適当な同値関係によって同一視した空間として R が得られる。こうして構成された実数の空間の中では、収束数列によって近似的に与えられる対象が実際に実数として存在している。また、Q 上の距離が代数構造と両立するようになっているので、R の上でも Q の代数構造を基にした代数構造を考えることができる。 この完備化による定義の変種として、コーシー列たちの空間のかわりに長さがどんどん小さくなっていくような閉区間の列たちを適当な同値関係によって同一視したものを考えてもやはり実数を得ることができる。この考え方はより一般的で強力な手法であるフィルターの特別な例と見なすことができる。
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