コウモリの保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 16:23 UTC 版)
「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」の記事における「コウモリの保護」の解説
西湖コウモリ穴内部の温度は、富士山麓にある他の溶岩洞穴と異なり、季節を通じて温暖であるため、古くから多数のコウモリが冬眠のため生息していたが、1966年(昭和41年)に西湖北岸の根場地区で起きた土石流災害(足和田災害)による集団移転に伴い、洞穴周辺の開発が行われたことや、天然記念物の指定後も入洞制限等の措置は取られず、誰でも自由に立ち入ることができたため、一部の心無い入洞者の行為により、当穴のコウモリは一時絶滅寸前にまで追いやられた。 1990年代に入り、山梨県および当時の足和田村によって、洞穴の出入口に鉄格子による防護柵が設置され入洞が制限された。その後、関係者による調査、保護活動など、一定期間の入洞制限が続いたが、貴重な天然記念物の公開意義、自然環境保護への感心の高まりなどから、エコツーリズムによるネイチャーツアーを主体とした一般公開が、1998年(平成10年)4月から始まった。 入洞受付から洞穴までの樹海内の道程は自然環境に配慮したトレイルが設けられ、洞穴口は前述した防護柵により保護されている。また、洞穴最奥部の2ヶ所はコウモリの保護区域として木製の防護柵が設けられ立ち入りが制限されている。さらに、毎年12月1日から翌年3月19日までの冬季期間中はコウモリ保護のため一般の入洞は禁止されている。 こうした取り組みにより、徐々にではあるがコウモリが戻り始めており、2011年12月15日から翌2012年1月15日まで行われた1ヶ月間の生息調査では、コキクガシラコウモリの大きな群れが確認され、コウモリ穴全体でのコウモリ生息数は2012年現在、合計665頭になった。
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